わたしはワーナーの中森明菜再発企画に一言物申したい。

 最近、中森明菜の復帰コンサートの夢を見た。
 単独コンサートではなくって何かのイベントのシークレットゲストってな感じで、サプライズでいきなり明菜様が舞台に登場して新曲を歌唱するっていう。会場は横浜アリーナ幕張メッセあたりの大箱で、「おおっ今度の新曲こんな感じか。攻めてるな明菜様」と、驚いたところで夢から醒めた。
 目が覚めて、我ながら自分のキモさに血が引いた。どんだけ明菜待ちわびてるねん。

 ――ま、でも、大なり小なり明菜の復活を待ちわびていると思うのですよ、ファンならば。何か動きがあったならば嬉しいし期待したいと思うはずですよ、ファンならば。 明菜がもう一度舞台に立ちたいと思った時に、うまく軌道に乗れるように色々と周りがサポートしてくれるようにと、祈っているわけですよ、ファンならば。
 だからね、過去の作品のリイシューとか、コンピレーションとかも、基本ウェルカムでいたいわけですよ。そこからファンになる人もいるやもしれない。実店舗にアイテムを置いてもらう、それだけでもプロモーションなわけですから。シングルコレクションという縛りを外すと、ファンの間では名曲とうたわれながらも埋もれがちな曲なんかもうまく組み込めるしね。
 それは明菜に限らずね、キャリアの長いシンガーならばみんなそう思いますですよ。
 だが、ねぇ、ワーナーさん。1982年から1991年まで中森明菜が所属していた旧ワーナー・パイオニア改め現在ワーナーミュージック・ジャパンさん。さすがにここ数年の明菜の再発関連アイテム、やっつけ過ぎやしませんかね。
 年頭に発売した「ドラマティック・エアポート-AKINA TRAVEL SELECTION-」で呆れたそれがさめやらぬ間に今度は「Burning Love 〜情熱の夏ベスト〜」って。松田聖子の次はケツメイシ浜崎あゆみの二番煎じ企画ですかい。いや、さー、元々再発モノに関しては、明菜に限らず、他の大手、例えばソニー・ビクター・キャニオンなんかと、比べると格段に企画力が弱いのがワーナーだってのは知ってるけどさ。ないよ。ない。
 聖子とかユーミンとかサザンとかチューブとか、アイドル勢でも早見優石川秀美ミポリンあたりなら、わかるよ、夏ベスト。
 よりによって明菜は、ない。そもそも明菜自ら「いかにも夏向けっぽい曲が少ない」言うてますやん。中島みゆきの夏ベストとか、谷山浩子の夏ベストとか、鬼束ちひろの夏ベストとか、それレベルに、ない。曲の棚卸ししてみたらそんなのすぐわかるやないですかい。なんかこー、安易な二番煎じ企画を立てないと死んでしまう病にでもかかっているのか、ワーナーさんは。
 リミックスベスト「Love Songs & Pop Songs」以降、これら一連の作品の企画/製作者って、たぶん同じなんだろうけれども、そもそもこれら、選曲も曲順もイチイチ雑だし。だいたい明菜は80年代においても声質や歌唱法はもとよりオケの質感すらもアルバムごとにガンガン変わるので安易に曲順つぎはぎするとむちゃくちゃ聞き心地が悪くなるって、こんなの明菜ファンならば、常識レベルで知ってることだっての。てか、明菜まともに聞いてないっしょ、聞く気もないでしょ、テキトーに仕事してるでしょ。と。
 ジャケットにしたって、なんすかあれ、シングル盤の画像データを引っ張ってきてフォトショかなんかで文字ちょいちょいって消してって。わしでもできるわ、こんなん。せめて、当時ジャケット用に撮影したものの別テイク持ってくるとか、なんかあるでしょ(以前のボックス「Century of Akina」にいっぱい収録してたやん。ネガなくしたんかい)。んで、それが作品にあっているならまだしも、むっちゃ似合ってないし。
 例えばだよ、この今度出る夏ベストにしてもこんなジャケットのほうがなんぼかいいと思うんですがね。

 (←10分で作った偽ジャケット画像)
 もうね、わたしは釈然としない。しないんですよっ、ほんっとーにっ。
 ――と、ぷんすかしていたら。「だったら自分でセレクション・ベスト案だしてみたらいいじゃない」と幻聴が聞こえたので、ちょっとやってみる(多分明日につづく)。