「はてなブログ」に引っ越し

長らくお世話になっていた「はてなダイアリー」のサービスが「はてなブログ」に統合のうえ、2019年2月で終了するという。
4年前に大病して以来、web運営に対するモチベーションが下がり、こちらもほとんど稼働しておらず、このまま眠らせておこうか……とも考えたが、なんだかここですべてを捨ててしまうのももったいないような気がして、ひとまず「はてなブログ」に引っ越しをした。

初心に帰って、よしなしごとからまた書きはじめてみたいと思う。

郷ひろみ 「スーパードライブ」 (79年12月発表)

ニューヨーク録音。79-80年はジュディオング、久保田早紀と海外旅情戦略を敷いていたCBSソニー酒井班。
ひろみにはアメリカ・ニューヨークをあてがう。これがドンハマり。ターニングポイントとなった一枚であり、アルバム曲でありながらベスト盤収録曲やライブ披露の多い曲が目立つ。ニューヨークを舞台とした歌謡アルバムとしては、中森明菜の「CRIMSON」と双璧だ。
以後、ひろみはプライベートでも、結婚だ離婚だと何かあるたびにNYに足を運ぶことになる。

サウンドはディスコ路線、全編曲が萩田光雄で、作曲も数曲も担当しており、サウンドプロデューサー的ポジションだ。萩田のサウンドメイクの幅広さに舌を巻く作品でもある。他作曲は、林哲司、菅原進、芳野藤丸、網倉一也。演奏は当地の24丁目バンド。作詞は竜真知子と岡田富美子で分担し、これは女の描く男のハードボイルドといったところだろうか。
アルバムとしては、同じく酒井班の山口百恵のロンドン録音「ゴールデンフライト」、ロス録音「L.A. Blue」と同工だが、どんなサウンドあてがおうと内省的でしっとりとあやしい東洋の歌謡の世界に深々とおちていく百恵に対して、ひろみはあっけらかんと洋楽化してしまう。
以降のひろみのアルバム「Magic」「PLASTIC GENERATION」「アスファルトヒーロー」はこのアルバムの延長、4部作といってもいいひろみ和製洋楽化路線の名盤群だ。

【刺さる一曲】
「Wanna be true」……冒頭「乾いた雨が落ちてきた」。この掴みで想像力が一気に広がる。乾いた雨って何? 歌は都会の青年の孤独と焦燥の世界。「ひとり暮らしはまるでガム/すっかり飽きてしまったよ」吐き捨てるように歌うひろみ。つのる焦燥はサビの「Wanna be true」の咆哮で爆発する。スリリング。作詞・岡田富美子、作編曲・萩田光雄
「哀愁ニューヨーク」……ひろみ版「勝手にしやがれ」。恋人との別れの朝。女はシャワーを浴び、朝食を摂り、キスひとつでさっそうと部屋を出て行く。もう二度とここには戻らない。男は残された手編みのセーターに苦笑する。前しか見ない女と後ろ向きの男の対比。「二人の暮らしはイカしたアドリブ/気づいた時にすべてが終わっていた」男のセンチメンタルがしみったれないのはひろみの声の力による所が大きい。作詞・岡田富美子、作曲・菅原進、編曲・萩田光雄
「LONELY NIGHT」……アルバムを象徴するラストナンバー。痩せた月、霧雨、アスファルトを叩く靴音、見慣れた寂しい夜更けの街、淋しくなんかないと強がる女とカサノバ気取る男。孤独を慰めあうこともできず、夜はただ更けていく。歌と対峙するようなスリリングなストリングスがまさに萩田節。作詞・竜真知子、作編曲・萩田光雄

中森明菜「unfixable」

unfixable(初回限定盤)(DVD付)

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 歌詞の面で言えば、これ30年目の「飾りじゃないのよ涙は」だな。ふたりきりの車内での一幕に男女の関係が隠喩されている。明菜は好きな男とのドライブでも、つねにサスペンスフルだ。
 今回はこう。車上のある一組の男女。男が車を運転し、女は助手席にいる。男の運転は荒っぽい、どうやら頭に血が上っているようだ。
 信号を無視してアクセルベタ踏みし続ける男に、女は思わずサイドブレーキを引く。おいおい、これ下手したらクルマがスピンするぞ。もしかしたらスピンしたかもしれない。緊張感ある一瞬。
 我を忘れて「unfixable」になっている男、それを女は冷徹な眼差しで見つめている。女はその時、男の腹の底を見る。将来を確かめ合ったはずの男女のバッドコミュニケーション。このまま「unfixable」で突き進めば、破滅してしまうのかもしれない。 
 しかし女は「わたしはfixable」そう確信している。昔の明菜なら、ヤバめの男に引きずられて心中する筋立てとなるところだが、今の明菜は違う。ここがポイント。生命力があるのだ。
 彼女は男とやり直すのか、あるいは男を捨てて自分だけでやっていくのか、それは明示されていない。ともあれ、そこにあるのが、クールで芯のある、そして何よりも、生き強い女の姿であることに変わりはない。
 もしこの擬似洋楽路線に、安室奈美恵のモノマネ?と思うファンがいたとしたら、明菜をしっかり聞いてなかった証拠だからね、反省しなさい。今回はざっくり言えば「不思議」+「Crosss my palm」+「Diva」。20歳過ぎから今までずっと明菜の音楽でやりたいことのどまんなか本流だからね。

位打ちと佐野研二郎

 「位打ち」という言葉がある。貴族や王族が、身分の下の者に身分不相応な地位を与え、自滅に追いやる手段のことを言う。
 後白河法皇が、壇ノ浦の戦いでの勝利の後の源義経従五位下検非違使少尉を与えたのが典型である。以降の彼の転落は、今更語るまでもない。
 人は誰しもおのれの器というものがあり、それ以上のものを注げば必ず溢れるわけだが、だからといって、すぐさまその器を大きくしようとしても、それは様々な知見や心の成長とともにゆるやかに大きくなるものであるから、かなわぬ話である。その時はただそのまま零すしかない。
 まだ経験の浅い未熟な者――つまり小さな器に、過大な権限や職責を与え、多くの人の嫉妬と注目を集めておき、その水が零れた後には、その失態をあざ笑い、精神的・社会的に追い落とす。それが位打ちである。
 しかし、相手を陥れるために仕組んだ位打ちを目下の者が見事こなしてしまったならどうか、これはつまり抜擢であり、彼は一躍時の人、スターとなるわけである。
 俗にいう「ピンチをチャンスとした」となるわけだが、これ逆もまた真であって「チャンスはピンチ」ともなる。
 全く善意でもって、周囲が大抜擢によるスターを――新たな神輿を仕立てるつもりでいたのが、当の彼がその地位に耐えうることが出来ず早々自滅してしまったらどうか。つまり意図せず周囲は彼を位打ちしたことになる。
 良かれと思ってドームコンサート、良かれと思って映画主役、良かれと思って飛び級、良かれと思ってコンテスト優勝、良かれと思って大規模融資、良かれと思って支店長、エトセトラエトセトラ。
 逆手となって位打ちとなるものが、最近非常に多いような気がする。少し前では韓流ブームがそうだった。佐野研二郎の一件もそのひとつという気がする。
 今回の件、オリンピックのエンブレムのデザイナーという大抜擢をきっかけとして、彼を大々的に売りだし、ブランド化させようという代理店的な企みが根底にあったのではなかろうか。
 彼の様々な剽窃も、デザイン業界のみの有名人であったなら、おそらくここまで暴露されることはなかったろう。しかし、彼もまた義経となる道を選んでしまった。
 もし身に余る栄誉が与えられたと思ったなら、細心の注意を払うべきである。相手に悪意があろうとなかろうと、それは自らを滅せしめる罠となるかもしれないのだから。

年末年始の明菜様の件/「歌姫4」のジャケット

歌姫4 -My Eggs Benedict- (初回限定盤)(DVD付)

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あけおめ。
今年の年末年始は、完全に明菜祭りになりましたね。
放送二日前に紅白歌合戦サプライズ出演決定、大晦日当日の新曲「Rojo -Tierra-」先行配信、んでいざ放映されたら「明菜どうなの?」と各所で侃々諤々。
twitterでも言ったけれども、わたしは、歌は大丈夫、テレビとか舞台に出るにはまだ慣れが要るかなと、明菜は昔っから緊張しいだけれども、それがちょっと今回はさすがにきついかな、と。そんな印象(あ、あそこは赤のジャケットは着たほうが良かったかもよ、明菜様)。
とはいえ、この明菜の紅白に長年のファンの間でも賛否分かれたりして。メディアではまだ病が重い説とか、あれは口パクだったとか、都内で録画したとか、またまたゴシップ誌が調子に乗り出す始末。
んで、ここでNHKが緊急スペシャル「中森明菜 歌姫復活」放送ですよ。映ったのはロスで全然元気な明菜様ですよ。精力的にレコーディングして衣装選びしてっていう。マジ、あのゴシップはなんだったのか。
そして「スタンダードナンバー」「長い間」の歌唱に感涙。さらにさらに放送翌日に「歌姫4」から「スタンダードナンバー」「長い間」先行配信開始って。もうね、明菜とNHKとユニバーサルに周りは完全に踊らされまくりですよ。
悪いけれども、明菜ファン装ってイモを引いた人、今回多かったんじゃないかな。明菜がどういう人かよく観察している真のファンならわかるけれども、本気でない人、邪心がある人は馬脚現れたと思う。今回の件、どこの誰が何を言ったか、色々覚えておくといいと思うよ。
いや、こんなに戦略完璧に来るとは思わなかった、マジで。軍師いるね、絶対。

――と、して明菜にしてやられまくりな二週間ですが、「歌姫4」と「Rojo -Tierra-」のジャケットも告知ということで見てみたわけですが、「歌姫4」のジャケ写、これ本気?
この溢るる高速のサービスエリアで売っているコンピレーション感。……しかし、ここでディスるのは。孔明の罠か。今回色々仕掛けてっからなぁ。
多分、エッグベネディクトの写真を使うというのは明菜のアイデアと予想。「歌姫」で駄菓子をジャケット写真で使ったような感じでっていう、あれに近い。
写真ももしかしたら、明菜が撮影したものかもしれない。写真とるの趣味だしね。食べログ的な感じで「可愛い〜」パシャリ。ありうる。
とはいえ書体やその配置などの細かいデザインは、これ、さすがに明菜の意見ではないよね。よね。

エッグベネディクトの写真を使うにしても、歌姫シリーズなら、こうだろ。ひさしぶりに偽ジャケット作ってみた。
歌姫シリーズのジャケットはやっぱり陽水さんの題字ありきでしょ。

とはいえ。このカフェに流れるコンピレーション風ジャケット、何か種明かしがあるのか、ないのか。
NHKドキュメントで録音風景のあった桑田佳祐白い恋人たち」が曲目に入っていない所含めて、気になる所。今年はまだまだ明菜様に振り回されそうです。
あ、ちなみに「Rojo -Tierra-」の方は明菜らしいなと。明菜はアートっちいぼやっとしてて何写っているのかわかんない写真、よくジャケットに使うもんね。

戻ってきました。/明菜様復活

約二ヶ月のご無沙汰です。まこりんです。
Twitterをご覧の方はご存知かと思いますが、この二ヶ月倒れてました。
病名・脳出血。発症は10/26午前六時頃。吃驚したよぅ、寝起き、立ち上がろうとしたら立ち上がれないでやんの。
ああ、これはアレか西城秀樹が罹ったというアレだよな。ピーンと来ましたね、ええ。
このまま意識無くしたら死ぬかもなぁと、とお〜い気持ちになりながら、救急搬送され、んでまぁ色々ありーの、退院が11/28。
まぁ、一ヶ月も入院していたので人間として使い物になるはずもなく、日常生活を送る体力・気力を養うのにまた一と月、現在は左半身麻痺からのリハビリを通院で行っとります。
なんとかこちらにもご報告できるかなあと思ったので戻ってきましたよ。と。
左手の麻痺が一番強くでたので、今もタッチタイピングがしんどいのですが、足とかしゃべりとかはそれなりに回復してる感じ?どうかな?ラッシュの新宿駅とかも、気合で何とかこなせるようになりました。
皆さんも塩分の摂り過ぎには気をつけましょうね。一度罹ると再発の恐怖に怯えながら恐る恐る生活するようになっちゃうし、汁物料理楽しめなくなりますよ?
――という、割とどうでもいい私的報告はいいとして。

明菜ですよ、明菜様ですよ。ついに復活の狼煙、上がりましたね。
着うたで新曲「Rojo -Tierra- 」聞きました?
ちろっと聞いた印象なのでリリース後ではまた違うかもしれないけれども、ワタシ的にはアリ。「VAMP」から「DIVA」と到る明菜が本来やりたい方向の延長線上にある曲だよね、これは。
声も綺麗にでているっぽいし――てか明菜の喉は「バラード・ベスト」あたりの頃を底に徐々に回復して、「DIVA」「Crazy Love」は絶好調には聞こえたんだよな、活動再開に足る覇気を感じた。
よしよし、楽しみだぞ。と思った矢先にボロボロ出てきたのが、真偽の不確かな芸能ゴシップ。
「もう勘弁してくれよう」そう思った明菜ファンは多くなかったんじゃないかな。勝手に面白がりやがって。こう言う取り沙汰され方、明菜は一番嫌いなのにさ。
出るのか出ないのかと今まさに話題の紅白歌合戦もさ、私としては、明菜本人がその意志をもって出場するのなら喜んでみるけれども、外部からは見えない謎の芸能界の力学に押されての出場なら、全然嬉しくないよ。
ぶっちゃけ紅白なんて芸能界の伏魔殿、魑魅魍魎が跋扈してるわけですよ。この長い休業ってのもさ、芸能界のそういうところに明菜の精神が擦り切れていったって、それは一面として確実にあるわけでしょ。
なんかもう、私としては売れても売れなくってもいいのよ、そりゃ売れて話題になったほうがいいかもだけれども、それよりまず、私人としての中森明菜の精神と肉体の健全が保てること、それと芸能活動が両立しないなら復帰しなくていいと私は思うよ。
その次に、定期的な芸能活動――新曲リリースやコンサートの開催ね。週刊誌やワイドショーで取り上げられて、テレビ露出も積極的になり、話題になってヒットを、てのはもう最後の最後でいいんですよ。
もうね、順序が逆。復帰早々また明菜が芸能ゴロにむしられやしないかと私は戦々恐々ですよ。
「芸能界、ろくなもんじゃないわね」なんてまた明菜様がお隠れになられたどう責任取ってくれるんですかっ。
静かに見守ってくださいよ、と。メディアの方にはお願いしたい是非。病み上がりの人間にひどいことしてくれないでよ、と。
明菜関連報道にプンスコするのであった。

Kaho 「Every Hero」

Every Hero / Strong Alone

Every Hero / Strong Alone

 アルバム出てから判断しよっかなと思ったけれども、これ一枚っきりではや一年、音沙汰ないので今更ながら。河合奈保子の娘、14歳にして宇多田ヒカルのプロデューサーに見出され、月9ドラマ主題歌でデビュー――ってどんだけ鳴り物入りだよっていうデビューシングルだったわけだけれども、売上は御存知の通り空振り気味だったわけで、内容も宇多田ヒカルの亡霊が見えるばかりで、彼女の個性は見えない。
 はっきり言って、声作ってると思うよ、コレ。宇多田チックな物真似スモ―キーボイスはやらされているだけと私は直感したね。なんか嘘くさくって聞き心地が悪いんだよ。喉を無理に締めたような声は聞いてるだけで呼吸困難になりそう。お母さんのイメージをダブらせるわけじゃないけれども、もっとしっかりと喉を開いて歌えば、まっすぐで綺麗な声出せるんじゃないかなぁ。
 自作である詞曲の世界観も、どうよこれ。凡庸で、彼女のリアルが感じられず、背伸びという印象しか残らない。宇多田の「Automatic」の恋人からのメールに思わずパソコンモニター触れたら暖かかった的な、とは言わないまでも、オヤジ的視点で言う「おお、これが最近の若い娘っ子か」的ななんらかの新味がなんか私は欲しかったよ。堅苦しっくいえば、わたしは才ある若い魂に触れた時の清新な驚きをこの作品で得ることはなかったってこと。
 ま、14歳で自作してこれってのでほうって思う人はいるだろうし、そういう人がこの曲のターゲットなのかもしらんけれどもさ、子供なんてすぐおっきくなっちゃうんだからね。安達祐実を辻・加護を見ろっていう。天才子役が天才役者になるとは限らんわけで、低年齢なんて所詮期間限定の危うい武器、芸能界という荒海を渡る櫂とはならんのですよ。
 総体的にこのシングルに関しては大人の思惑で促成デビューさせられたという印象しか受けない。河合奈保子で例えれば、デビューしてイキナリ売野の挑発路線やらされているようなっつうか。もっと身の丈にあったことやりなってば。
 12月に放送した「Kahoのオールナイトニッポン」を聞く限り本人まるで幼く素人の子供そのものだし(――話し声は、素人時代の小学生の河合奈保子に結構似ていた)、年齢的にもガッツリ就学中だろうからゆるゆるとした展開しかできないだろうし、本気で育成するつもりならあのタイミングでデビューさせなくって良かったんじゃないかな。
 正味なところ、五年経ってどうなっているかといったところだけれども、その時にチャンスが与えられるかというと、そこまで待てるのか、今の音楽業界。「芸能界を記念受験してみました」で終わってしまう可能性もあるよね、これ。
 宇多田ヒカル河合奈保子というふたつの十字架を背負わされて、はたしてどうなるKahoちゃん。神田沙也加のごとく、七光りと周囲から舐められつつもしぶとく生き抜いて自分の世界を作りあげられればいいんだろうけどね。