金スマ「大竹しのぶの真実」スペシャル

 明石屋さんま大竹しのぶもわりと好きなタレントだけれども、「さんまとしのぶ」になると、もうこれが、たまらないわけで、奇跡の邂逅、というか、もうなんか、大好きなんです。ごめんなさい。
 この掛け合わせって、テレビで見るぶんには、最高でない?レア感もあいまって、おれのなかで黒柳・久米を凌駕する男女コンビは、このふたりしかいないのでは、と。ってわけで、この番組もやっぱり、楽しく見てしまった。

 っていうかさ、つい最近気づいたんだけれども、おれさ、さんちゃんとしのぶの関係性に萌えているんだね。ふたりのさ、夫婦でも、恋人でも、血縁でも、同僚でも、同窓でも、ライバルでもない、「なんでもない」としかいいようがない関係のふたりなんだけれども、しかし、好きとか嫌いとか、そういうひとことで片付けられない深いところで繋がりあっている、っていうのが見ててたまらないわけですよ。
 てわけで、離婚以降の、バラエティーでお互いのことをいいあったり、時に一緒の番組に共演したり、の「さんましのぶ」のほうがより熟成されコクがあっていい。もちろん「男女7人」や「いこかもどろか」の頃もいいけれどもね。

 結局このふたりってのは、今の関係性が一番仲よくできる距離なんだろうなぁ、「家庭」とか「夫婦」って関係や場は、お互いをよりよくするものではなかったんだろうなぁ、と思う。実際ふたりが結婚していた時期は、さんちゃんもしのぶちゃんも、芸能キャリア的には、「底」の時期だもんな。代表となる作品ひとつも残していないし、番組レギュラーが減って近所の公園で子供と遊んでいるさんちゃんの姿がゴシップ誌に激写されて、なんてのもあったし。
 そもそもさんちゃんの、口の軽くて女の子が大好きな万年プレイボーイキャラといい、大竹しのぶのぬぼーっとした魔性の女キャラといい、やっぱり二人が結婚って云うのは、無理があったんだよな。相性はばっちりだけれども、結婚にむかない、ずっと一緒にいるのにあわないふたりだったと。そういうところがむしろ、いいんだよね。

 なによりふたり一緒だとそれぞれテレビで見せている部分とは違う部分が出てくるのが見ていて面白いんだよね。とくに、ぼーっとしていて、しゃべりのとろいはずのしのぶちゃんが、さんちゃん相手には、やたら早口でつっけんどんな物言いになるところなんざ最高なわけで。

 しかもお互い面と向かって、相手をけなしあっていても、どこか愛があって、あぁ、今日も仲よく喧嘩しているなぁ、と。非常に萌えるのですよ。
 しのぶちゃんの「子供たちと一緒に旅行に行った先の旅館の朝食バイキングでがっつく姿に本当に離婚してよかった」とかなんとかいって、フツー別れたふたりが一緒に家族旅行するかよ、という。そういうツッコミをこれからも入れていきたいのです。
 離婚会見に向かうその当日に玄関先でさんちゃんがしのぶちゃんをぎゅっと抱きしめて「おまえはいつかきっと帰ってくる」とかなんとかという、シリアスなエピソードも、「おれは黒い家に住んでいた」などなど、さんちゃんがバラエティーで面白おかしく当時の結婚生活を語ったのをきちんとかついいかげんにしのぶちゃんに事後報告している、というエピソードも、なんか、こう、ツボに来るのですよ。その関係性、おれ的にストライクだわ、と。

 離婚して、よりおもしろくなった「さんましのぶ」をもっと見る機会がほしい。毎週レギュラーの番組だとだれるから、番組改変期のみがいいかな。深夜の1時間くらいの番組で、軽いシチュエーションコメディーとコントにトークっていう、そういう「さんましのぶ」メインにした番組が見たいぞ。っていうか見せてください。絶対面白い番組になると思うんだけれどもなぁ。

 と、云うことで今日もなんだかんだいってやおいっぽな話でしたとさ(――え、どこが、と思ったあなたは修行が足りません)。