HOSOKI In The Sky With Diamonds

 わたしは音楽レビューが、よくわからない。
 そもそもわたしは楽譜が読めないし、コードのひとつもわからない。これでは楽器が弾けるわけもない。音楽のジャンルだって、本当のところ、よくわからない。
 だから、音楽レビューの、音楽的知識―――知ってしかるべきという感じで使われる固有名詞が、全然わからない。わからないから、音楽レビューが、よくわからない。
 わからないからといって、わかりたいともあまり思わない。わかったらより楽しめるかもしれないなぁ、とは思いつつも、自分の興味のわかないお勉強をするのは、趣味じゃない。みんなが知っているからって、別に、知らなきゃ、なんて思わない。
 だからビートルズストーンズも私は、聴かない。
 だって、わたしは、別に音楽家じゃないもん。レコーディングディレクターじゃないもん。ただのリスナーだもん。
 もちろん、そういうレビューを書く人を否定するつもりはないけれども、自分とはかかわりのないところにいる人だなぁ、と思う。

 CDを買う大半の人は、わたしのように音楽的知識なんて、なにひとつない。体系的な知識もないし、楽器ひとつ弾けやしない。
 じゃ、なんでわたしたちは音楽を聴くのか。そこには「夢」があるからだと、思う。
 「夢」なんて、抽象的で、青っぽい言葉を取り出すのも、今更だけれども、今この場所にいるちっぽけな自分から、ほんのすこし飛躍するためのなにかがそこにあるから、わたしたちは音楽を聞く(――し、本を読むし、絵を見る)のだと思う。
 そこになにを「夢」見るのか。
 わたしが、音楽でも小説でもなんでもいい、作品について何かを語るなら、ここにこんな素敵な、あるいは奇妙な、あるいは残酷な、あるいは甘い、夢があったよ、と、さししめすように語れたらいいな、と思っている。
 もちろん、それは、私にしか聞こえない幻聴なのかもしれないけれども――。

 というわけで、まこっちゃんはソウルメイトを探す長い旅にでます。
 もしかしたら、あなたのところへ行くかもしれませんよ?
 いいかげん眠いので寝る。
 んじゃ。