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やおい漫画色々感想。
◆ 小笠原宇紀 「Nightmare Fortress 〜魔神の城塞〜」
「平和なリゾート地、ベルナー公国の王室警護隊に所属するフリッツは幼い頃の記憶がない。そして保護者であり、上司でもある隊長・吉祥(きっしょう)―――彼の姿を見る度に、フリッツは毎夜高ぶる熱を抑えられないでいた。ある日、突如として現れた異形の者達に公国の王子は陵辱され、人々は犯されながらも快楽を貪り耽り、場内は淫猥な舞踏会へと一変する―――!」
以上が、単行本裏表紙の作品解説なんだけれども、このあらすじの部分までが作品はじまってからなんとわずか10Pまでのこと、いきなりのトップギアですよ、センセー。このあらすじを10Pのネームでまとめられますか、フツー。
しかもそのあとがまぁ、「淫猥な舞踏会」なわけで、ちんちんの乱舞というか精液まみれというか、相手をとっかえひっかえ入れたり出したり、大変なことになってます。
しかも、これにかててくわえて「ファイナルファンタジー7」以降のゲームファンタジー的な世界観むちゃくちゃのファンタジー要素をふんだんに盛り込みまくりおってからに、無茶しすぎ。ある意味やおい版「バイオレンス・ジャック」?「うろつき童子」?
ざっくりいうと、色んな理由で、堕天使が降臨して人を犯しまくっている国があって、その国を取りもどすために、元国家警護隊、今日本の神主さんが模造ピストル片手にえっちでエクスタシー状態の堕天使を祝詞の書かれたBB弾で撃ち殺す、という話で、まあ、一種の退魔行モノなんだけれど、どうですか、フツーの話なのですか ? この手のジャンルではこういうの。
以前の「裏刀神記」の時もそうだったけれども、聞いたこたない固有名詞連発のこちゃこちゃした設定を、読者への説明をぶっちぎってすすめまくる、という、にちゃんでいうところのものすご厨房臭い作品です。高速厨房エロエロやおいエキスプレスに、おこちゃまやおらーや半端な大人やおらーは、乗り遅れること必至かと。
なんていいながら、この悪趣味な作品を半笑いで読んでいる自分もどうかと思うが、ここまで突き抜けると、むしろ爽快だったりするわけで。ひっじょーに人に、薦められない、薦めたくない、しかし、やおいとしかいいようのない作品です。好きといえないけれども、否定はしたくない。
◆ 今市子「B級グルメ倶楽部 2巻」
ただのゲイカップルがメインのホームコメディーという感じ。ゲイ版橋田壽賀子ドラマというか。はたしてこれはやおいとえるのか? って、こういった話は1巻が発売された時にレビューしたな。
えー。既にカップルとして出来あがっているふたりの終わっている具合をひたすら追いかけた2巻は、「らぶいちゃぬるやおい」を楽しむ感覚で楽しみました。みなさんも読みながら、たのしく砂を吐きましょう。なんだかんだいって読ませます。面白い。
ザッツ・リリカル。もうそれだけでいいかと。どれだけ淡いんだ西炯子。そんな言葉を送りたい。フツーに西炯子ファンには大納得の1冊。いつもやっていること同じやん。といわれればそれまでだけれども、こーゆー世界はそれはそれで大切です。ホモを抜いても結局彼女はやおい作家なんだよな。うん。