明菜ほしいのは「カニの缶詰とお米」

http://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20070118-144194.html

 プレゼントで欲しいものに「蟹缶と米」。
 うーん。さすが。だてに芸能界で25年メシ食っていないな。と妙なところで感心してしまった。
 ファンからのプレゼント。これって、本人にとってみれば嬉しい反面、結構悩ましい問題、明菜ほどのトップレベルの知名度を持っていなくてもさ。同人作家レベルでも、結構ありうるテーマだったりするんだよね。

 例えば、花束、なんてのは、渡すほうとしてはプレゼントとして一番無難かもしれないけれども、もらうほうとしては、持っていると変に目立つしかさ張るしすぐダメになるし、なにしろもらう側になったとたんにうんざりするほどもらうわけで、いいところがまるでない。リアル"百万本のバラ"ごっこするっていうのも、やってもいいかもしれないけれども、まぁ一度でいいわな。
 手作りのほにゃらら〜、なんてのもこれまた定番だけれども、これはプレゼント渡す側もらう側の双方がお互いをよく知っていてうまく成立するもので、そうでないとたいていは、気持ちはありがたいけれども〜、となりやすい。高いブランド品や化粧品にしたって、そう。趣味の違うものをもらっても困る、となりかねず、ってわけで、センスが問われるものっていうのはお互いを知りあっていないと難しいのだ。
 じゃ、電化製品などの耐久消費財は ? となると、これまた、ひとつでいいマイナスイオンドライヤーが何十個も届いたよ、なんてことになりかねない。
 もういっそのこと「プレゼントはいりません。気持ちだけで充分です」なんていったほうがいいかも、その発言自体優等生的だし、と思ったりもするが、向こうは向こうで"その気持ちを伝えるために"結局プレゼントを贈るわけで、その発言はなんの抑止力にならない。
 では、と、さらに考える。

 同じものをいくらもらっても困らない、センスを問わないもの―――消去法でいくと、一番いいのが、「食材」なのだ。
 しかし、食材でも、食品にいくらでも細工ができるものは、NG。手作りチョコとかクッキーなんて、まず絶対ダメ。なにを紛れ込ませているか、わかったものではない。知り合いからのプレゼントでない限り、速攻ごみ箱行きだ。
 足の早いもの――野菜も肉も魚介類も、冷蔵・冷凍しなければならないものは、保存に限度があるのでこれまた向かない。
 となると、残されるのは「心のないものの細工が施しにくい保存食」。これしかない。
 そんな保存食の中で、一番よく使うものといえば「米」。一方、手近に入手でき一番高いもの、といえば「蟹缶」。これはもう、限りなく、正解としかいいようがない。
 そういえば、その昔カップ麺好きの中島みゆきのコンサートではカップラーメンが会場を飛び交った、という逸話を聞いたが、あれも、安全性・保存性といい、なかなかお見事なセレクションだけど、カップ麺は価格のわりに、かさばっちゃうんだよね。大量に運ぶのは結構大変。そのあたり価格と簡便性で米と蟹缶は、カップ麺以上だよな。
 さすが、明菜様。
 とはいえオチで「もらったお米であわびご飯 つくりました」なんていうてるんだから、つまりこれは、あわびを晩御飯にちゃらっとだすくらいに、買いたいものを買う金が充分にあるんだからプレゼントは要りませんよ、というメッセージを言外に伝えているかも。

 って、そんなことよりも、「歌姫ベスト」が売れそうな気配がしているんですけれども。どうなん ? レコード会社の思惑とおりになるのが悔しいような、嬉しいような。