宇多田ヒカル 「HEART STATION」

HEART STATION

HEART STATION

つまりは「ヒカルは、離婚の痛手からようやく立ち直り、自分を取り戻しましたよ」というアルバムだな、これは。
ポップでキラキラしていて、でも時々胸がぐっとなるような痛みがあって――ここにあるのは、みんながよく知っている宇多田ヒカル
原点回帰。「First Love」の頃の宇多田が大好きと言う人には待望のアルバムなんじゃないかな?
ほどよい軽さとキャッチ―さと切なさ、これぐらいが一番大衆受けするってぇもの。これは売れるでしょ。
かぐろいオーラをむんむんに漂わせていた前作「ULTRA BLUE」のただ事なさもそれはそれで趣深いものがあったけども――個人的にはああいう抜きさしならないアルバムは大好き、普通の精神状態であれは作れませんてば。
大ヒットシングルでクロージングするあたりも、前作のそれと比べて、極めてフツー。
そんなフツーで良質の宇多田ヒカル
全米進出と紀里谷氏との結婚生活は彼女にとっては大きな回り道だったのだろうか?