オタクでなにが悲しいって本で家が埋まることなのである。
ほっておくと本棚からまけでてくるのである。
本棚を新たに買ってもきりがないのである。
部屋の壁が本棚で四方ふさいでしまうのである。
というわけで、最近はなるべく本は買わないように、買っても速やかに捨てるように――なんて出来ないのがオタクのサガなのである。嗚呼。
私は決意した。
プチフラワー50冊を捨てるっっ。捨てるったら捨てるのだっ。
ダンボールにつめ、天袋にしまったままで開ける機会のないまま3年、つまり、読む機会がそれまでいっさいなかった3年。もういいだろう。
そもそもプチフラワー、掲載作品の九割が単行本化されているのである。
しかも私は単行本ももっているのである。
つまり取っておく意味がなにもないのである。
わたしの愛着以外、そこにはなにもないのである。
ああしかし、捨てるにはあまりにも綺羅綺羅しい作家陣たちよ。
萩尾望都木原敏江西炯子坂田靖子諏訪緑波津彬子。わが青春の日々の作家たちよ、作品たちよ。
しかし、しかし、このままではいつぞ床が抜けるやも知れぬ。
赦せ、赦してくれたもんせ。
涙をこらえながら、紐で十字に縛ったのであった。
さらば、夏。