文フリの雑感

wagamamakorin2009-12-10

 文学フリマにサークル参加して、一番驚いたのは、一般参加の方、いわゆる買い手がとにかく話しかけるってこと。
 もちろん声掛けは普通のイベントでもあることなんだけれども、まあ、大抵は「ファンですぅ、いつも読んでますぅ」とか「前の○×本すっごくよかったぁ〜」とかなんとか、まあ、ファントークだったりするわけですよ。差し入れのお菓子なんか渡したりしながらね。
 そういうのももちろん多かったんだけれども、そうでない、さしてサークルの素姓を知らずに意図もさしてなく話し掛ける、というのも結構あって、一番驚いたのが以下のふたつ。
 「なんのために中森明菜本出しているの?」
 「中森明菜って歌うまい?」
 これ、別の人、ね。どちらも女性だったかと。自費で中森明菜の同人誌作っている人に、直接これを言うってね、失礼だし、愚問ですよ。
 ま、世間一般では、こういう発言する人っても往々にして居るものなんだけれども、同人イベントでってのは、自分が味わったのはもちろん、見かけたこともなくってね。
 きもかろうが下手だろうが、自分が好きなものを情念の赴くままに好き勝手に作るのが同人――ってコンセンサスが取れていれば、まあ、普通出てこない類の発言ですよ。
 例え、自分的になんじゃこりゃなトンデモ同人見つけたとしても、サークルの当人に向かってってのは、フツーない。せいぜい友達同士で「○×◇の本ってありえない、マジウケル」とかいいあうだけで。誰得なカウンターとか、仕掛けませんよ。
 だから、失礼だなとか憤慨するというよりも、なんか、こう、新鮮な驚きを感じた。こういうこという人がイベントでいるんだー、と。
 んで、このイベントはコミケ文化圏とは違う所にあるんだなーと、おもった。
 昔はそうだったのかもしれないけれども、いまやコミケ発信の同人文化ってのはトライ・アイド・エラーの蓄積で洗練されきっていて、即売会のマナーやルールに関しても浸透されつくしているのね。けれども、それがここになかった。
 前述した買い手の気質を含めて、他にも、例えば、通路に荷物が平気ではみ出まくってたり、列が近隣サークル前を浸食していたり、そもそも壁・誕生日席がなくって大手サークル対応に不適切だったり、イベント用のゴミ箱が設置されてなく、館内の常設のゴミ箱が溢れかえっていたり、と(……一般もサークル参加もゴミは全部持ち帰り、というのは理念としては正しいかもだけれども、現実的ではないなーと感じた)、現在のコミケではありえないような諸々のカオスな状況、それらはコミケとは文化圏にあるからこそなのかなーと。
 雑でカオスで、若く、練れていない。良くも悪くもそれがこのイベントのカラーなのだろう。個人的には、それはそれでいいんじゃないかなと思うけれども、まあ、きっと、続けていく限り、このままというわけにもいかなくなって、変化していくんだろうな。