日の出ハイム 「君へつづく物語」
- 作者: 日の出ハイム
- 出版社/メーカー: 海王社
- 発売日: 2010/05/07
- メディア: コミック
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――俺の住むアパートの隣に最近引っ越してきたあいつはちょっとおかしい。どうやら彼は世界を守るために戦っているらしいのだが――
特にホモというわけでもない男同士がただつるみあっていちゃこりゃしている日常みたいなモノが異様に上手い日の出さんの新刊。今回もキスシーンすらなく、BLというよりも今時のちょっとJUNEっぽいラノベみたいなノリ。
今作は、その昔、日の出さんがアニパロ同人どさどさ出してた「ガンパレード・マーチ」の感じというか、いわゆるセカイ系的な世界観で、大学生の男二人が深夜のファミレスでグダグダしたり、アパートでゲームやったりという日常感と世界平和の為に戦うという非日常のコントラストがこの話のキモになっている。
クライマックス、現実をまるでRPGのように戦って生きた男は唐突にこの世から消え去る。周りは誰も、そんな人は知らない、はじめからいなかったと訝しがる。残されたのはラベルのないスーパーファミコンゲームソフト一本。
友人はその古めかしい謎のゲームをプレイしてみる。果たしてかれはそこに居た。彼はゲームの中にとりこめられたのか、あるいは元々ゲーム世界の住人だったのか、彼は現実で話した言葉そのままの台詞をゲームの中でも繰り返す。――というシーンが秀逸。
これがエンディングなのか、いやしかし、そんな彼にもちゃんと真のエンディングが用意されていて、めでたしめでたし。
ゲーム大好きな日の出さんの描いたゲームJUNEといっていいかと。みんなもふわっふわした天然でいて使命感に溢れて一本気なご近所ヒーロー・三星翔に魅力に打ちのめされればいいと思うよっっ。