篠原涼子

『snob』(音楽専科社)で篠原涼子を見る。
写真は「サイバーパンク風『夕鶴』」という物すごいもので驚いたが、インタビューでは相変わらず中森明菜に対する憧憬を語っていた。
中森明菜の持つ独特の翳りに憧れているんだとか。
芸能人のいう「自称ファン」という言葉には、どこが営業的ないやらしさが大抵漂うものだが、さすがに篠原涼子ほどしょっちゅう口にしていると、あぁ、本当にファンなんだな、と微笑ましい。

実際、彼女の仕事を見ていると中森明菜的なテイストをかなり自家薬籠中のものとしている感が強い。
「Time of Gold」がCFソングであるジンジャエールのCMなどに代表される「セクシーな女性」と、ただいま放送中の「光とともに……」に見られる「所帯じみたマイナー気味の物悲しい女性」とを上手く使い分けているが、どちらも中森明菜的なものを自己のものとして組替えて表現しているように見える。
バイプレイヤーとして女優では実にいい位置にいる彼女だが―――実際ずいぶん演技は上手くなっている、脇に回っても主役を食うような華と器用さがある、インタビューでは「自分は女優だとは思っていない」とのこと。
やっぱり歌が本領だと思っているんだろうなぁ。なんとか、もっと歌を歌える場が作れないものか。