杉本苑子「華の碑文」

杉本苑子「華の碑文」

近頃、音楽芸能に関するテキストを書いていると、どうにも世阿弥元清の言葉が頭のなかをちらちらしてくるので、きちんと勉強しようかとひとまず食いつきのいい手頃なフィクションを手にとってみる。
これが、面白かった。テキスト挙げるくなんていったくせして、昨日今日と集中して一気に読みきってしまった。
歴史小説であり、芸道小説であり、やおい小説。今年度のまこりんやおい小説大賞・最優秀候補作の予感。
エンターテイメント小説としてよくできている。虚実のしみ込ませ方も絶妙だし、萌えあり、感動あり、色々勉強するところありで、私の心に深く響きました。
それにしても芸の道は修羅の道、苛烈で残酷だなぁ。
さてと、これからは世阿弥の評伝と彼の各著作をいったりきたりで読んで、少しずつ距離を縮めていくか。