自転車に乗っているとよくあることだが、向こうからやってくるおばさんライダーと正面衝突すれすれの事態によくなる。
あー、もう、おばさん注意力散漫なんだらあっっ、とイライラするのがそんな時の常だけれど、よく考えてみるとなぜかこういう事態になるのが、不思議とおばさんライダーの時だけのような気がする。
私の今住んでいるところは典型的な東京郊外のベットタウン地で、道が脆弱で駐車場の確保も難しいことから、近所への移動には自転車が一番小回りが聞いて便利ということで私も含めて多くのこの街の住民は自転車をよくつかうのだが、それにしてもこういう機会に遭遇するのは、おばさんが運転している時だけなのだ。
なんでだろうとそういった時のケースを思い出してみると、おばさんが道でのすれ違いの時に左側通行の原則をよく忘れていることに気付いた。
たいてい、そうなのだ。こちらが走っていると、ちょうど進行方向真ん中におばさんライダー現れる。と、こちらはそのまま左側に寄せて走りぬけようとする。と、おばさんライダーはこちらがよった方向と同じ側―――つまりおばさんからみて右側、によるのだ。
これではぶつかるに決まっている。特に交通量の激しい道路の路肩側などでこういう事態になると危険きわまりない。
ちなみにこのあと、大概の危なっかしいおばさんは自転車を急ブレーキでその場で止めて自転車を自分からみて右側に傾けて、左側から降りる―――多分自己の身の安全のためなのだろうが、となるとつまりは私から見てより左側、つまりより私の真正面に自転車を向けるということになる。これでぶつからないというのはむしろ不自然な状態になってしまう。

と、ここで、気になるが「おばさんの注意力の散漫さ」ではなく、(もちろん)「左側通行・右側通行」の問題である。
左側通行というのは無意識下に潜む日本人の習性のようなものだと私は思っていたが、こういうことを考えるに、どうもそうでもないようである