9/11の日記で述べた大量購入したレコードの速記レビューをいくつか。


「夢恋人」藤村美樹


掘り出し物っっ!!
元・キャンディーズのミキのソロアルバム。YMO人脈祭り。趣味の方なら納得のアルバムといっていいでしょう。細野先生の硬質なアレンジが楽しめます。
ちなみに藤村美樹もアルバムの半数を作曲、がんばっています(――自作曲のアレンジは高橋幸宏白井良明)。
キャンを自壊させたナベプロはやっぱりアホだなぁ―――。


「予言者の夢」井上鑑


ちょっとスノッブが過ぎるんじゃないでしょうか。
狙うは大瀧詠一山下達郎のラインなんだろうけれども、頭でっかちが過ぎていかがなものか、というところ。
「なんとなくクリスタル」的脚注を鬱陶しく思うかいなかが評価の分かれ目。ジャケットはかっこいいけれどね。努力賞。


「架空庭園論」井上鑑


ライバルは坂本龍一か。このアルバムはいい。
彼のなかに眠る現代音楽の素養が前面に出てきたようだ。
「架空庭園」とは「バビロンの架空庭園」のことか、それともビルの屋上などにある人工的庭園のことか、それとも人の脳内にある観念的な「庭園」のイメージそのものだろうか。とまぁ、こういったしちめんどくさいことを考えたくなるほど文学的で難解なアルバム。
ブレードランナー的な閉塞的近未来の風景。


大野方栄「マサエ・ア・ラ・モード


これも意外な収穫。かなりフュージョン寄りなジャズアルバム。サポートメンバーにカシオペアの名前も。ジャズの佳曲を大胆に80年代チックにアレンジ―――とくに彼女の早口日本語ジャズが面白い。「Lover, come back to me」のカバー「Eccentric person, come back to me」には驚く。
全体の印象としては矢野顕子epo。「おいしい生活」的おしゃれっぽさが懐かしい。5年デビューが早かったら、大活躍していたかもしれないなぁ。
ちなみに当時JUNEなどで活動していた耽美派漫画家ちばひさとさんと彼女はお友達らしい、というどうでもいいトリビア