八月ごろに書いた短いテキスト。サイズからいってどこにあげるということもできなさそうなので日記にあげる。


ネプチューンの深夜の番組をぼうっと見ていた。英語を和訳するクイズコーナーで「HAPPY GO LUCKY」が出題された。ヒントで「慣用句です」のアナウンス。
普通「いきあたりばったり」という意味だが、慣用句といわれて、え、なんだろと、思った。

と、ネプチューンの名倉が「牛に引かれて善光寺参り」という回答。なるほどなぁ、確かに。「なにが幸福のきっかけになるわからならない」という意であるから、「HAPPY GO LUCKY」をそのまま直訳して「幸福は運まかせ」とみれば、確かにニュアンスとしては似ている。しかしこれは不正解。と他の答えに「笑う門には福来たる」という回答があった。これはまったくのとんちんかんだな、と思っていたらそれがおまけの正解だという。で実際の正解というと「いきあたりばったり」。
「いきあたりばったり」は慣用句なのか、とか、どうみても「笑う門には福来たる」よりも「牛に引かれて善光寺参り」のほうがニュアンスが近いだろう、とか、「笑う門には福来たる」を「禍転じて福となす」に勘違いしてないか、とわたしはいろいろのことを一瞬で思ってしまった。

まぁ、お笑いタレントを使ったバラエティー番組なのだから、細かいところはどうでもいいのだろうが、ともあれ番組制作者はあまり言葉を知らなかったと見える。
近頃のテレビのクイズコーナーには「バカ探し、バカをあざ笑う」といった雰囲気の漂うものがあり、この番組のクイズもそういった類のひとつであるが、そのコーナーで出演しているタレントではなく、制作者のバカさがバレてはいけないだろう。テレビ制作者たちが視聴者を白痴化させようと粉骨砕身するのは一向にかまわないが、自らの馬鹿が露呈するようではあまりにもお粗末といえる。
これはなにもこの番組だけでない。そうしたテレビ制作者たちの無知と奢りはテレビとその周囲の端々で見られて、近頃はテレビをつけるのが苦痛になりつつあり、そして実際私のテレビの視聴時間は減ってきている。
これはなにも私だけが思っていることではなかろう。とここで視聴率や広告などのデータを取り出してテレビのメディアとしての影響力の低下をあげてもいいが、それは面倒くさいのでやらない。
ひとりの視聴者であるわたしはただ黙ってテレビの電源をオフにするだけである。テレビで飯を食っている人間のことを考えるほどの愛はもうない。