あっ、そうだ。吾妻ひでおの「失踪日記」もうでてるはずじゃん。と、思いたち近所の書店を数軒はしごするも、やっぱりどこにも置いてないのな(怒)。

「吾妻、吾妻」と念頭において、本屋をぐるぐる探していると「吾妻ひでおの『現在』」なる言葉を本の背表紙に発見。
「comic 新現実 vol.3」角川書店。表紙に書かれている「大塚英志プロデュース」に思わず口元がほころび、さらに特集が「吾妻ひでお」「かがみあきら」「奈良小一女児殺害事件」「戦時下のアニメ」と来て、かててくわえて執筆陣が荷宮和子白倉由美みなもと太郎ときて耐えられず、ぐははとその場で笑ってしまった。
やぁ、凄い。この臆面もなく「ザ・大塚英志」という構成。ありえないよ。潔いまでの「読者不在ぶり」が気持ちいい。
ああ、近頃「悪魔のようなあいつ」(ジュリーがやった久世ドラマのアレね)の漫画版とかかがみあきら選集とかいまいち今のカドカワではありえない作品が復刊しているなぁと思ったらそういうことなのかぁ。
この雑誌がどこまで続けられるかわからないけれども「80年代なるもの」の最後の牙城としてがんばっていただきたいです。吾妻ひでおの連載も始まるし。

あ、結局「失踪日記」はネット書店で注文―――アマゾンで「売上ランキング: 9位」 というのを確認し、あぁ、やっばりな、と。
新作合わせで特集した大塚英志といい、自身のサイトで紹介した竹熊健太郎といい、帯の言葉を書いたとりみきといい、ある世代の漫画好き、漫画関係者にとっては偉大な漫画家なんだけれども、これからも吾妻ひでおは世間には絶対浸透しないんだろうなぁ。