まいった。
一本とられた。

「山さ行がねが」というサイトがある。( http://yamachari.parfe.jp/ )

わたしはひそかに廃墟・廃道・廃線のたぐいが好きなのだか、こういったマル廃な趣味というのは、もっと内向的で陰陰として鬱な趣味だとわたしは思っていた。
が、もうこのサイトの方(――ヨッキれんさんという)ったら、徹底して明朗、アクティブに外向的に「廃」なところを攻め入っていく。
ゲーム感覚といえばいいのか、まるでRPGのダンジョンを攻略するかのような、そういった軽さが全体的に漂っているのね。(―――これは褒め言葉です)。
軽いといってももちろん廃墟でお化け屋敷ゴッコをするような者どもとは一線を画していて、きちんと廃墟にたいして敬意を表しつつ自己を廃墟とを対峙させているのだけれども、それにもまして、印象が軽いのね。いままでマル廃な趣味は背中に子泣きじじいを背負うようなだるさ、祭りの後のピエロの道行きをみつめるような孤独で重ったるい感覚を伴ったモノだと思っていたけれども、こういうアプローチもあるのか、と、自分的には意外だった。

それにしても「十和田湖八甲田山連絡道路」の回には笑った。
サイトの紹介によると、この道は昭和初期の東北大凶作時に県が建設した道路で建設後は軍用道路あるいは産業・観光道路、としての活用も考えられていたのだが、元々需要のない救農対策が最大の目的――道路を作ることが目的で作られた道路だったので、建設後すぐに放棄されたのだそうだ。
そんな今となってはほとんどが大自然にかえってただの「藪」となっているところを「ただ昔道であった」というそれだけの理由で、自転車で踏破しようという、この酔狂。馬鹿馬鹿しさもここまでくると、拍手を送るしかない。


――あ、こちらのサイト、道マニア、マル廃マニアだけでなく、秋田・山形・岩手あたりにお住まいの方もご覧になったら面白い発見があると思いますよ。