書上様

Psalm 詩編

Psalm 詩編

エキセントリック・オペラ時代から書上奈朋子さんの音作りにはやられっぱなしな小生ですが、もうね、個人名義の作品っていうのは特に壮絶で、「psalm 詩篇」このアルバムは凄すぎる。先日もじっくり聞いていて、もうね、またまたやられましたね。

身を削って作っているというか、これ以上突き進むともう狂ってしまうんではないか、というぎりぎりのところで作っているような感じがあって、もうたまりませんね。生きているのに、彼岸の世界にいっちゃったよ、というか。一瞬、こう、見えるね、向こう岸の世界が、ヤベぇ、ところ来ちまっていたよ、五色の霞の向こうで誰かが手を振っているよ、という。こんなもの聞いちゃって、ほんと自分、どうするよってなもんですよ。
表現者として自分のすべて叩きつけていて、それでいて透徹としていて狂おしいほどに美しく、だからこそ悲しく、孤高の境地のひとこと。
聞いていると、あぁ、表現せんとする人ってなんて悲しい人なのかなぁ、と、表現せずにはいられない者の業に深く感じ入るわけですよ、わたしは。なんて不幸で幸福な人たちなのだろう、と。

折にふれて絶賛している書上サマですが、こんなに凄いのにあんまり知れ渡っていないんだから、世の中不思議なものですねぇ。もうね、日本のあらゆる作曲・編曲家は書上奈朋子にもっと嫉妬するといいよ、てなもんなのですが、一般的にはあまり知られず、google先生にこの盤の感想を尋ねてもあまり数が見つからず、うーーーん。

もっともっと書上サマのファンは、もっともっと書上サマをお神輿かついでわっしょいわっしょいするといいとぼかぁ思うよ。だってぇーーー、マジすごいわけじゃん。書上サマは日本文化の至宝といっても過言でないわけじゃん。って、そこまでいったら言い過ぎか。

ともあれ、一部のディープな人にだけ書上奈朋子の音楽が愛されるってのは、ちょっと贅沢過ぎると思っちゃうなぁ。てわけで、ことあるごとに書上さんをとりあげてしまうのであった。みんな聞け聞け。