ふと思い立って、今月どれくらいのテキストを書いているのか、調べてみた。単純にアップしたテキスト20×20にフォーマットした一太郎にコピペしてみて、概算をはじき出したのだが、なんと今月は既に原稿用紙で250枚以上も書いていることを知って驚愕した。お前はデビュー当時の高河ゆんか、と。栗本薫か、と、自分で自分に呆れた。

特に五月などは物凄く、400枚をこえている。一冊本だせるほどの量だよ。まったく。先日アップした吉川晃司のテキストなんて、あれも原稿用紙で30枚越える結構な長文テキストなのに、かかった日数がわずか二日だもんね。確かに、10代の頃中島梓が「小説道場」などでのたまった「わたしなんて月産○○○枚だもんね」なんて話に「へぇー、やればそんなに書けるものなのか」なんて素直に信じた時期もあった。その後「あれは特例だよ」と、「自分にはそんな勢いも才能もないよ」と退けた時期もあった。が、だねえ、いつのまに誰にも頼まれずそんな大量ののテキストを書いている状態に陥っていたなんて、今の今まで気づかなかった。気づきたくなかった。

ま、わたしのは所詮、推敲をさして重ねない、飯の種にもならない、しょうもないチラシの裏テキストですよ。そんなプロの月産枚数を引き合いに出すこと自体間違っていると思う。実際、サイトにあるテキストを商品としての価値のあるものにきちんとブラッシュアップさせるには、もっと時間がかかると思うし。とはいえ、やっぱり、驚かざるを得ないのは事実なのですよ。わー、こんなに必死になっていて書いていたのか、と。いつも見ているサイトが、わりと、毎日テキストバンバンあげるサイトだったりというのが多いので、感覚が麻痺していたのかな。

昔はこれでも「いいたいことはあるのに、それを上手く言える言葉が見つからない」なんて下唇をかんで、黙ってしまうような子供だったのですよ、わたしも。なにかいいたいと50枚綴りの原稿用紙を前にして、それでも何も言葉を落とすことができず、ただひたすら途方にくれる、なんてことも何度もあったのですよ。今は、なんかその頃の惧れが逆になって、どうせどうやっても上手くいえないのだから、下手な鉄砲数打ちゃあたる方式だ、となってしまって……。あの頃の私は遠くなったのだなぁ。しばし追憶。