西炯子 「STAY ラブリー 少年 2」

佐藤敦士と山王みちるの物語のオーラス、なのか?
やっぱりこのSTAYシリーズは良くって、今回も大変おいしゅうございましたが、話の落としどころが、うーん、なんというか、結局ふたりはよくある男女になってしまったかな、と思ったりもしたりして。や、面白いんですよ、たしかに。西炯子センセは、淡々として茫漠とした「名づけられることのない青春」ってのを短編マンガにして切り取るのがやたら上手い作家で、このSTAYシリーズもこういった地点からスタートして、で、図らずも、佐藤・山王の物語が西センセにとってはそこそこの長編になったわけだけれども、やっぱり西炯子センセは、長編は短編に比べると得意ではないのかな、と思った。フツーの彼氏・彼女になる前のうだうだ感から先ってのが、案外描けないタイプなのかも。

ここまで来たなら、もっと大河にしたっていいんでないのかなぁ?てゆーか、わたしは佐藤君の青春の蹉跌を私はもっと見たい。高3まででなくさ、受験に失敗したり、演劇に本気になって変な劇団立ちあげたり、売れない童話を書いたり、親と大喧嘩したり、そういう佐藤君が見たいぞ、と。写真家目指して高校退学する井上みたいに、佐藤君のその後の荒波もみたいぞ。と。色んな挫折を味あわせて、で、一方の山王は佐藤くんとすれ違ったり、よりそったり、って感じで。ここで終わりだと人生の荒波を引っかぶる直前で終わった、って感じで、ちょいものたりない。こっから先はセンセは書きたくないのかなぁ……。