あんまりにも明菜さまが新曲をお出しにならないので、少々おかんむりのまこりんです。あんまりにも放置プレイが長引くと、俺が明菜のスタッフになれば、色々企画とか出せるのになぁ――、とか、かつてのヒット歌手としての栄光を、でなく地道に一歌手として、客席でまっている人のためだけに歌っていきたい、というのであれば、いくらでも案がありますぜ、ファイスと歌姫レコーズさん、とか、とそんなこんなでぐだぐだといいたくなって仕方なくなる、というか、そんなとどまることを知らない中学生の妄想みたいのが広がるじゃないですか。てわけで、今日はそんな話。

明菜のコンサートやディナーショーのアンコールにこんな歌を歌って欲しいな――、これライブの〆で今の明菜が歌ったらきっととても素敵だろうな、っていうのがありまして。ひとつが、サッチモの「この素晴らしき世界」で、もうひとつが和田加奈子の「約束のイブ」なんですが、って誰も知らない?

サッチモの「この素晴らしき世界」はある筋では超有名な名曲だけれども、明菜様は知らないかな――。
今の明菜様は「絶望を知っているからこそ歌える希望」を歌える歌手だと思うのですよね。ただ幸せで満ち足りていてって歌でもなく、全てが虚しくどん底でって歌でもなく、地の底まで落ちたからこそわかる青空の美しさというか、そういう闇に射し込む鮮やかな一条の光のような歌が歌える歌手になったんじゃないかな、と、そう思うんですね。
明菜の歌う「瑠璃色の地球」なんかはそういった雰囲気があってすばらしくって、この部分はもっと伸ばすべきなんじゃないかな、と、わたしは思うのですよ。それにこういう大きな器を持った歌手ってのはそれ自体が稀有だしね。

戦地に赴く若者にあえて「この世界は素晴らしい」とやさしく語りかけたサッチモのように、となるかどうかはわからないけれども、明菜流に絶望を知るものだからこそ知る本当の希望を歌えるんじゃないかな。


木々の緑、美しい赤いバラ、どこまでも青い空と 白い雲
握手しあい、愛をかわしあう友
今泣いている赤子も いつか成長して 多くを知るだろう
わたしはふと、思う この世界は素晴らしいと

ラストに、アコギ一本でこの歌をかるく語りかけるようにピアニシモで歌ってくれたら、あぁ、今日はいいコンサートに行ったなぁ、って思うこと覿面だと思うんだけれども、どでしょ。メロデイーラインもシンプルでやさしくあたたかで、今の彼女にあっていると思うんだけれどもなぁ。

もう一つは「約束のイブ」っていう歌で、これはタイトルからいって、年末のディナーショーなんかに歌うとこれほどハマる歌もないんじゃないかなぁ。
「難破船」やら「水に挿した花」やら「予感」やら救いようのないフラレ歌系バラードをレパートリーに持っている明菜様ですが、これはこれでいいんだけれども、こういう暗黒だけでなく救いのあるバラードも欲しいな、と。もちろん一方で「BLUE LACE」や「宵闇を待って」などのように幸せいっぱいのなバラードも歌ったりするものの、それらは悪くはないけれども、ファン受けにはどうも……、という状況だし。
やっぱり明菜様は恋の歌にしても「明」の世界をただ歌うってのよりも、「暗」を嫌というほど味わったからこその「明」の世界、ってものの方がいいんじゃないかなぁ、と思うのですね。というところにこの歌はその二つの世界を止揚するような歌になるんじゃないかな、とわたしは思う。乙女で、「暗」で、切ない恋で、そしてハッピーエンド、っていう、まさに今の明菜に合わせてつくられたような楽曲に思えるんだけれどもな。
ちなみに詞のストーリーはこんな感じ。

去年のクリスマスの終わった淋しい雪の街角、恋をなくした彼女の瞳に彼はあらわれた。彼は星の王子様。めぐる次のイブは一緒にキャンドルの火を点すんだと、二人はイブの約束をする。
しかし、その新しい恋もまたまもなく破れる。彼の心は一つではなかった。夏の終わり、星は流れた。しかし恋をなくしても時は待たない。約束のイブがやってくる。忘れると誓いながらも、彼女は雪降る舗道を消えたはずの約束の場所へと向かっていった。そして彼女は見る。まつげの雪の向こうに、約束の場所で待っていた彼の姿を。

で、そこで明菜が身の内に燃え上がる小さな炎を抱えるように切々と歌うわけですよ。


抱きしめて抱きしめて いたいほど
賛美歌も キャンドルも消えるくらい

って。

あぁーー、絵が見えるなぁ。明菜がこう、歌の中に入っていくのがもう、眼に見えてわかるなぁ。と、妄想するわけですよ、わたしは。っていうか、このテキストを見た明菜のスタッフは明菜にこの二つの歌を聞かせなさいっつーのっっ、これ今の明菜に向いているんじゃない?って薦めなさいっていうのっっ。

…………と。ここまで書いたところで、明菜様から新曲発表のお知らせが届く。「落花流水」12月7日発売。って、ちゃんと動いたいたのね、明菜様。よかよか。写真見ると、土色っぽい感じといい、ターバン巻いてずるずる衣装といい、AL-MAUJ風というか、久方ぶりに砂漠でエキゾな明菜をやるぞ、という気配が漂っていて、これは楽しみ。
ま、でもこの二曲もちょっと明菜様の声で聴いてみたいです、もちろん。キーとかメロとかその辺も絶対今の明菜に合うとおもうけれどもな。