風邪をしっかり治すために、今日は1日家にいようと、あらかじめ決めていた。

朝起きてワイドショーを見ると、本田美奈子のニュースがひきりなしに流れていた。

結局私は、休みもせずに1日ずっとテレビを見ていた。彼女のニュースが流れていない間は、彼女のライブビデオを見、彼女のアルバムを聴いていた。



こういう時にファンだと公言するのは、悲しみの尻馬に乗っているような感じがしてなんともいやらしい印象がする。

だから「ファンだった」とは、はっきりいえないが、ひとまずわたしは、彼女が残したオリジナルアルバムとライブビデオは全て所蔵している、という、そういう人間である。
今までサイトでこれといってきちんと本田美奈子を取り上げてこなかったくせに、そういう人間なのである。



なにかの足しになるわけでもないが、私が一番気に入っている彼女のアルバム『Junction』のレビューを書いた。

これが追悼になるとは思わない。ただなにかを残そうと思って、書いた。



いつのまにか止まる 砂時計のように

時間はいつも過ぎ去ってから 人の過ちを笑う

いつのまにか枯れる 花瓶のバラのように

気づいた時は なすすべもなく 愛は終わりを告げる


(「かげろう」/作詞・作曲宮沢和史/『晴れ、ときどきくもり』より)


何もかもが遅すぎる。