◆ 酒量多いと自殺リスク倍増 厚労省研究班が調査


週1回以上飲酒し1日当たりの飲酒量が日本酒3合以上に相当する男性は、時々(月に1−3回)飲酒する程度という男性に比べ自殺の危険性が2・3倍とした大規模疫学調査の結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が1日、英医学誌に発表した。
研究班は「飲まない人で高い理由は不明だが、酒量を適度に減らすことが自殺防止に役立つということは言えそうだ」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060301-00000227-kyodo-soci

 てかさ、これ、明らかに原因→結果が逆だろ。
 「酒をガバガバ飲む→死にたくなる」でなくって、「死にたいくらい現実が辛い→酒をガバガバのんで現実を忘れる」だろ。現実が辛い時、酒で慰める。こんなの経験則でみんな知っているだろ。飲酒を適量にしたところで、自殺抑制にはならないだろ、どう考えたって。
だって問題は酒でなくって、その人をとりかこむ現実なのだから。


 もし、社会的に意味ある「飲酒と自殺の因果関係」を研究するとしたら、飲酒によって一時的に回復した意欲が、酔いが醒めると元通りどころかそれ以下のところまで落ち、それを忘れるためにまた飲酒に走り、というアルコール依存→自殺へと続く「飲酒スパイラル」のメカニズムに尽きるとおもうけれども。どうよ。


 言わずもがなのことをあえて研究して、しかもとんちんかんな回答を出す。時々こういった類の研究発表記事が新聞や雑誌の紙面を彩ったりするけれども(tak-shonaiさんのとりあげた「メールの意図が正しく伝わる確率は 5割」とかね)、研究されている方は、どういうつもりでお仕事なさっているのでしょうか。そこんところ、是非とも知りたいような、知りたくないような……。