ラブリー、春樹

 皆さん、驚かないで読んで欲しい。


 角川春樹のインタビュー

 話は出所後初のプロデュース作品、映画「男たちの大和/YAMATO」と、わりとオーソドックスなところからはじまるのだが、次第に春樹先生の名言が連発。

「自分はこの12年間、刑務所に入って闘争をやっていた。」
角川春樹は刑務所に行ったって角川春樹だし、出てきたって角川春樹。」
「21世紀は角川春樹の時代だと思う」
 神々しいみ言葉に思わずひれ伏してしまう。
 ――が、それでも勢いは留まることを知らず、リミッター振り切ってエスカレーション。



「私は病気を治したり、いろんなことができるんだよね。それを使って、宗教を必要としない時代に持っていこうとしている。」
「この間までは、日本の地震を止めることに命を懸けていた。それで止めたんだよ。」
「サイバー戦争になった時に、最も大きな力を発揮するのは私だろうね。」
「この前の台風も東京を直撃するというので、迂回させたんだ。それで静岡を通って千葉に抜けた。
 あぁ、あの時の台風。あれが逸れたのは、春樹先生のお力でしたか、いやぁ、まいった。
 って。ちょっ、ちょっ、ちょっーーーと、待て、おい。待てったら。
 このインタビューはアレですか。実は角川春樹という、同姓同名の別人の、どこかの療養所の隔離病棟の患者、とか、そういうオチ?「ここは火星植物園でしたよ」みたいな、そういうなん?(――って、んなこたない。春樹さまがこんなキャラ立てだってのは前々から知ってますがな)

 まあ、こういう部分だけ抽出すると出版社の社長として、どうなのよ?って、ところなんだけれども、次の薬師丸ひろ子(――「日本アカデミー賞・最優秀助演女優賞」おめでとうございます)のインタビューを見ると、ただの変人でなく、じつに徳のある変人なんだなぁ、ってのがわかる。

 手塩にかけて育てた女優が、まさしく人気絶頂の頃に「独立したい」という。
年間十数億の収入がふいになるのを、すんなり受け入れ、このようなインタビューで率直に当時を語れるほど、今でも親交が深い。これ、なかなかできないよ。
タレントの独立後も、プロデューサーとタレントがここまでうまく関係が保っているというのはかなりレアケースなんじゃなかろか。



 またこのインタビューでの「次回作は映画館で公開しないで、ネット上だけでやってやろうかと。」というのも早速実行にうつして、Gyaoとの提携による「ハルキwebシネマ」なんてのも始動させたり、その仕事っぷりも早いわけで、やっぱ、春樹だよなあ、春樹しかいねぇよ。と感心する、というか、生温かく崇拝する私だったりする。
 一度生でお話聞いて驚いてみたいです。

 ちなみに来春に公開予定の「蒼き狼〜地果て海尽きるまで〜」はチンギスハーンの一生を描いた一大スペクタクルで、原作は「人間の証明」の森村誠一で、監督が「Wの悲劇」の澤井信一郎、モンゴル政府の全面協力の下、政府軍5000人、さらに2万人の無償エキストラ動員し、さらにヒロインは、エイベックスと提携して新人女優オーディションを開き、壮大なフィルムになりそうな……って、おい。なんかどっか聞いたような気がする名前やら戦略やら、煽り方のような……。