久世光彦追悼・寺内貫太郎 傑作選

 寺貫は、いろんなネタを噂ではしっていたものの、一回も見たことはなかったのだけれども、やばい、フツーに面白かった。
 藤竜也が出てきたときに思わず「の、野々村さんっっ」と心のなかで叫んでしまった私。野々村さん、良ちゃんほっといていいの?

 昔のドラマを見るたび思うんだけれども、当時のドラマって、カメラワークは穏やかでテンポもゆったりしているけれども、そのわりに情報量はしっかりつめ込まれているのな。結構小ネタを効かせたり、細かく伏線を回収したり、内容が濃い。このゆったりなのにさりげにつまっている、って、今のドラマはまったくないよなぁ。

 それにしても、藤さんといい、キキキキ(―――森茉莉風に言ってみる)といい、加藤治子、まちゃあき、篠ひろ子などなど、久世ドラマは、面子をかたまっているよなぁ。これって、一種のスター・システムだよね。まちゃあき・希林・美代子の三人がそろって「時間ですよ」なん? ってなるところなんかまさしくそうだし。わたしはこういうのも大好きなんだけれども、スターシステムも今は流行んないのかなぁ……。