明菜とか、萩尾望都とか

 寝すぎて頭痛いよ。
 いつのまにか日記の更新1週間もしていないまこです。時が経つの、早すぎ。それは、寝てばっかりいるからでしょうか。

◆ プリマダム 二回目

 なんか、だるい。ごめんよ、明菜。はやくも明菜の部分だけ見て後の部分をすっ飛ばしたい衝動が……。
 記号的な登場人物。説明的な台詞。すべてがおよそ陳腐。本が悪すぎる。大映ドラマのように、陳腐を通り越してお笑いの領域に入っているならまだ見れるんだけれども、そうでもなく……。ともかく、ところどころに妙に繊細さの欠ける台詞がでてくるのは、なんとかならんか。
 明菜様の月影先生っぷりを楽しむまでの他の部分のハードル、高いよ。
 「ボーダー」の時は「目指しているところはわかったけれども、よみうりテレビの現在のドラマ班の力では無理でしたね」って感じだったけれども、これはもうはなから目標設定が低いところにあるドラマというか……、「昼ドラとか韓ドラ大好きなオバサン相手にはこんなもんでいいでしょ」ていう制作者の言葉が聞こえてきそうな。ま、たのしいっつう人がいればそれでいいんですけれども。


◆ 萩尾望都 「山へ行く」

 妻に子供に仕事に、なにひとつ不自由をおくっていないある中年の作家。
 朝、目覚めて、ふと思う。
 「今日は、山へ行こう」
 山といっても、自転車でいけるそこらの里山だ。
 それなのに、妻や子供、編集、近所の電気屋などなど、日常の雑事が彼を追いかけ、結局彼は山へ行くことを諦める。
 ――という、それだけの、なにもおこらない短編なのだが、これを読ませてしまう萩尾望都。日常生活とそのなかで生きる人々のリアリティーがハンパでなく、一体どんなおっさん作家ですか? 向田邦子 ? 
 今度の萩尾望都は久々の短編連作集になりそうだけれども、こういう「物語にならない物語」っていう、枯淡の境地までおのれの表現領域に入れていきますか。どれだけ天才なんだよ、萩尾望都


◆ 萩尾望都 「宇宙船運転免許証」

 古き良きアナログリリカルSF萌え。
 読後、嬉々としてストーリーを語ったところ「 なにその藤子・F・不二夫 」といわれた。あ、確かにこれは、Fお得意の「少し不思議」系SF短編だ。
 子供の頃、今は亡き兄と一緒に200円で買った「宇宙船運転免許証」。その運転免許の更新案内の葉書が30年経って届く。どうせなにかの悪ふざけだろう。そう思いつつも、仕事先の近くということで冗談半分で更新事務所へ訪れるが――という「山へ行く」に続くオチなし系激渋大人風味短編。
 「宇宙船なんて今のご時世はやりませんよ、今はドア・ツー・ドアですから」
 と、事務員が言うのを
 「ドラえもんの『どこでもドア』ですか」
 と返すあたり、やっぱり、これは藤子・F・不二夫のリスペクト作品なのかな。
 藤子Fの短編でいうと、「3万3千平米」に一番印象近いかな。ガジャットが「宇宙船運転免許」か「火星の土地」かというだけで、絵空事のSFロマン世界と現実世界がリンクしてしまう感じとか、かなり近い。
 こういう作品を書く人、なんでいなくなっちゃっだろう、という感慨と、萩尾望都、あなたって人はほんとになんでも描けるのね、という驚きの一編。