「松田優作 1978〜1987」

YUSAKU MATSUDA(1978?1987

YUSAKU MATSUDA(1978?1987

 死後に発売された彼の唯一のベストアルバム。
 松田優作は、歌の上手い歌手というわけではないが、個性的な、いい歌手だと思う。
 特に、ビーンとのびた高音でたちあらわれるルーズな感じとうらはらな哀調というのは、とてもいい。どこで学んだのか知らないが、相当黒っぽいフィーリングを持っている。曲調もあいまって、日本の歌手だと、上田正樹を想起させる。 (――そういえば、彼の盟友・桃井かおりも、なぜか知らないが、歌わせるとやけにブルージーだったな)。
 後期になるとインナーワールドを歌ったような難解な作品が並び、評価は難しいが、このあたりは、彼の役者としての履歴とまったくリンクしているともいえるわけで、そう見ればこのわけわからない路線もまたいとおかし。
とはいえ「Yokohama Honky Tonk Blues」(――作詞が藤"愛のコリーダ"竜也なのは、なぜ ? )は名曲だ。これ一曲のため、このアルバムを聞いてもいいかも。これが彼の代表曲といってもいいよね。
 ちなみにYahoo ! 動画で、松田優作のこの曲をストリーミング配信中。一度も聞いたことがない方は聞いてみてくださいな。
Yahoo ! 動画は、ここ→