結婚して引越しした妹。新居は東京23区内の1LDKマンション。GWということもあって弟がそこに訪れた、その話を聞く。
 旦那も妹もPC関連の仕事で、自宅勤務。だだっぴろいLDKにふたつのデスクとPCを向かい合わせてここで一日中仕事をしつつ、また食事やプライベートなどを過ごしている、という。
 その話を聞いて無理だ、と思った。
 ずーーっっと、同じ人間と顔を向かい合わせて過ごす。朝起きても、仕事をしても、三食食事をとっても、ずっっーといっしょ。絶対、無理。
 せめて机は背中合わせでないとぜったい、無理。いつも2人なんて、絶対煮詰まる。確実に私なら喧嘩しまくる。
 できれば、違う部屋で仕事をしたい、23区内を離れてもいいから、部屋数の多い物件にしたいと、私なら思う。
 が、まあ、世の夫婦ってのは、どうも、そういうものみたいなんだよね。もうとにかく使うもの、過ごす空間すべて一緒、っていう。これが結構個人的には、信じられなかったりする。
 わたしは、もし結婚できるなら、寝室はなるべく別に――できれば自分のプライベートルーム持ちたいという、そういう人間なのだ。
 相手がけっして踏み込まない絶対的な個人のテリトリーがないと、耐えられない。もうね、いっそルームシェアでよく使われる振り分け物件でいいんじゃね、とまで思っている。で、会いたくなったらお互いの部屋に行くみたいな、軽い通い婚方式でいいんじゃね、と。
 てのは、わたしがまだ、愛を知らないからなのでしょうか。
 あんまり会わないほうがらぶらぶを維持できるんじゃね、とわたしは思うんだよね。逢えない時間が愛育てるのさ、みたいな。いるのが当然と思うと、失ってしまうものがあるのでは、と。
 って、まあ、こういうこと言っているからいつまでたってもひとりなんだろうなぁ。嗚呼。