「クワイエットルームへようこそ」 (映画)

松尾スズキ原作の小説の映画化。監督は松尾スズキ本人。内田有紀主演。
映画を見て、小説はあらかじめ映像化を狙って作ったものなのかな?と感じた。
原作にあった過不足分がなめらかになっていて、俄然まとまりがよくなっている。
いわゆる「東電OL殺人事件」的な現代女性の死と再生を描いたフツーにいい話になっていた。
内田をはじめ、俳優陣が体当たりでいい演技をしているのが、好印象。
蒼井優、いままでお嬢様女優というイメージだったけれども、ああいうやさぐれた芝居もできるのね、とか、妻夫木、それもうお前悪ノリだろ、とか、いろいろ言いたいが、やっぱり最後に全部持っていったぜ、大竹しのぶっ、
この人、本当に化け物なんじゃなかろうか。比喩でもなんでもなく。気狂いを演じさせて彼女にかなう人、いたら教えてください。
ってわけで、原作よりも映画をわたしはすすめます。
――けれども前作の「恋の門」の方がもっと好き。