返歌する

先日、いつも拝見している庄内拓明さんのサイト「知のバーリトゥード」のキリ番を踏んで、和歌をもらった。こういう風流な事を慣わしにしているのである。


 まことにも 凛と更けゆく 秋の夜に 名こそ記さめ いそよろづとて


すぐにわかる思うけれども、折句になっていて、「まこりん」「あきな」という詞が見えてくるはず。
なるほど。というわけで、柄にもなく返歌を詠んでみた。


 白波の 寄せる浜辺を 歌う貝 夏の名残を 今も響かす


こちらも折句、頭の文字を取ると「しょうない」。さらっとできた。
和歌で元々語数が決まっているのに、しかも折句で接頭のしばりをつけて、と、一見難しそうに見えるけれども、その方が案外簡単だったりする。
創作っていうのは、ガチガチに決まり事で雁字搦めだとどうにもならないけれども、多少の制約なら、算数の図形問題の補助線みたいな役割をしてくれる。
制約から答えが見えてくるのだ。
これ物事の万事そうであって、何も制約なし、全てフリーダムになると、なにをやるにも常に暗中模索でゴール地点がまったく見えなく、なかなか難しい。
枠組みというのは、これ、つまらないものに見えて、なかなかすばらしいのである。