名盤? 名作?

 この作品は凄い、名盤、名作、マスト。そういわれるのを鵜呑みにして、読んだり聞いたりして――どこが? と思ったりすることが誰にもあると思う。「似たような趣味かな?」と思っている人の発言でも自分的にははずれだったなんてこともあったり。つまりそれだけ人の趣味ってのは多様で複雑なんだろうな。
 逆に考えてみれば、わたしがサイトやらなんやらで「溶ける」「死ぬる」とかなんとか絶賛しまくっている作品を「ゲッ、趣味わりぃ」と思っている人もいるんだろう、この世のどこかには。
 考えてみれば、世の中に出回っている作品の全ては、これはいいものだろう、といった判断が誰か彼かのところで働いて世に出されているわけで、もしかしたら、全ての人が否定する駄作なんてものはこの世に存在しないのかもしれない。
 だから、こんなサイトやブログをやっていてなんだけれども、この作品がいいとか悪いとか、そういうところで議論を戦わせる気っていうのは、私はまったくない。
 それはもちろん「人の意見なんて聞く気ないですわ」とかそういうのでなく、(自分を含めて)世界には色んな意見が遍在するのが当然だし、尊重したいからだ。みんな違ってみんないい。
 それを押しのけて自分の意見を相手に通そうしあうのは、「オレは正しい」とお互い言い張る宗教戦争みたいなもので、不毛で救いがない。
 とはいえ「○□の作品は全て名作」って感じの無条件全肯定の文章とか読んじゃうと「ええー、嘘だろー」と思っちゃうんですけどね。その時々の好調不調もあるだろうし、関わっている人間も作品ごとに違ってくるし、作り手の趣味志向の範囲だって他人のあんたと完全一致してるわけでもなかろうし、全部はねーだろ、全部は、と。どっかで自分にはあわないわ、これ、ってのあるだろ―、と。
 まーこれはこれで盲信している信者という感じで、否定はしないし、微笑ましいとも思うけれどもね。その話をあてにしようとはまったく思わない。そういう意味ではファンサイトって、あんまりあてにならなかったりするんですよね。どこぞの新興宗教の信徒達が月に何回か寄合してたりする、そういうところの会話となにが違うのかっていう。
 まーだからといってそんな寄り合いで「今度の○×は違うと思う」なんて言いだすのはKYの極みなのですが。平和な空間乱すなよなっていう。これはこれでうまくいってるんだから、と。
 以上。雑談終わり。