嵐のよさ?

五年程前に、友人と雑談していたときに、不意にジャニーズ系に話が及んだ。
曰く「いまは嵐がいい」と。
「えーなんで。つか、メンバーの区別つかないし、音もキャラも一番没個性じゃない? スマならキムタク、TOKIOなら長瀬、V6なら岡田、NEWSなら山P、みたいな、いかにもセンター、っていう華々しい人もいないし」
と私が反駁するに友人は答えた。
「いや、あのメンバー横一線で華のないところがイイ」と。
大学生くらいの年齢の子がつるんでいる感じ? 深夜のファミレスでまったりしてたり、ワンルームに集まってテレビゲームで盛り上がってたり、本当にフツーのそこらへんの子っていうのが、いかにも芸の水で洗われている他のジャニーズと一線画している。SMAPが出てきた時も、今までのジャニ系と違ってフツーっぽいなと思ったけれども、嵐はそれ以上、と。
へー、そういう解釈なんだ―、と、その時は完全に流して聞いていたのだけれども、いつの間にやらテレビ界を席巻し、二宮だ桜井だとさすがの私も顔と名前の区別がつくようになった今の嵐の姿に、その時の友人の言葉がやたらリアルに響いてくる。
あー、なるほど。
それまでの他グループの、親しみあいながらも、なんだかんだいって芸能人同士ですからといった雰囲気も併せ持っている、いささか緊張の孕んだ関係性と比べると、嵐って、本当に友達感覚でゆるい感じ、するもんなー。
それがどれほど作られたものではあるのかは、ファンでない私には知るよしもないのだけれども、視聴者の共同体への帰属意識で成立しているテレビ界にとって、どこか素人くさくって、わいわいやっていて楽しげな彼らは、とても有用な存在なのだろう、おそらく。みんな「学校」大好きだしね。