小柳ゆき「KOYANAGI the Disco」
- アーティスト: 小柳ゆき
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2003/03/26
- メディア: CD
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そもそも小柳ゆきのサウンドコンセプトがこのあたりの70年代ディスコサウンドなのだろう、危なげない出来ではあるのだが、どこか空疎な印象もまた漂う。
ざっくりいえば「これならドナ・サマーのベスト盤買うかな」と。ゼロ年代前半、確かにディスコ回帰のムーブメントはあったけれども、そのまんまを再現されてもなー。上手いけれども、上手いだけで、そこから先のサムシングがない。結果、ただただ古臭く響いてしまう。
物真似タレントの清水ミチコ・コロッケが芸能界で生き残り、その後現われた、その他多くの物真似タレントが、なんだかんだいって次第に消えていったのか。その違いは、芸に悪ふざけという名の「批評性」があるかないかだと、私は感じる。
小柳ゆきに足りないのも、そこ。多分、彼女って、本質的に真面目な性格なんじゃないかなー。つねにしっかり歌い倒しちゃってさ。既存の枠からもっとはみ出して、いいんだよ。芸って、そういうもんなんだから。お上手なものが見たいのではなく、その人だけができるものが見たいのだ。
もちろんそれは彼女だけの責任というわけもあろうはずもなく、そこにプロデューサーの老いのようなものも漂うのが、ちとせつない。
のるたる爺の回春剤以上のものとなれなかったのが、つくづく惜しい素材である。