朋ちゃんが「DEPERTURES」をカバーする件について

 なんだかんだいって朋ちゃんウォッチャー、まこです。
 とうとう来たね。華原朋美カバーアルバム「MEMORIES -Kahara Covers-」発売。「恋しさとせつなさと心強さと」「DEPARTURES」「BRAND NEW TOMORROW」収録。

 http://www.universal-music.co.jp/universal-j/kahara-tomomi/news/2014/01/0111/

 今回の三度目の復活はどう客観的に見ても、華原朋美のラストチャンスだと思う。ゆえに、さすがに今回こそは本気で更生するのかと思った。過去を精算して綺麗に忘れるのかと思った。
 でも違ったんだね、朋ちゃん。どう言い訳してもこれはただ復讐の第一章。修羅道を歩むんだね、世間がうんざりしようがおかまいなしに、やりぬくのだね。
 ――と、一瞬遠い目になった私だけれども、ここまでくれば毒を食らわば皿まで。消臭剤のように他アーティストのカバー曲を突っ込んでいるけれども、小室哲哉への未練臭は全然隠しきれてないので、いっその事全編小室カバー、しかも小室哲哉が聞いて思わずゾッとするであろうフレーズが必ず入っている曲をセレクション、とかのほうが突き抜けてよかったと思うのだけれども、どうでしょ。
「許さないで/許してないから/憎むくらいに見つめて」(中森明菜/愛撫)とか、「たとえ5年たっても/10年たっても/君のとなりにいたい」(ムーンライトダンス/渡辺美里)とか、「卒業できない恋もある/木々の色変わるけれど」(卒業/渡辺美里)とか、 「あなたと死ねたら」(Wanderin' Destiny/globe)とか。小室さん、思わず家の戸締まりもう一度確認したくなること請け合い、っていう。
 彼女の小室哲哉への粘着って、ぶっちゃけ業としか言えないわけれども、とはいえそれが、小室哲哉・再評価という形に繋がるのなら、それはそれでありかなあと私は思っているんですよね。
 意外と埋もれている良質な小室楽曲は結構あるし、沢口靖子「Follow Me」とか、堀ちえみ「愛を今信じていたい」とか、原田知世「家族の肖像」とか、そういうのを逐一拾い上げて、今のサウンドとして磨き上げるという作業ができる歌手は、やっぱり華原朋美しかいないわけで。
 きっかけは私怨でも、最終的に小室哲哉の研究家という形で究めるのであればそれはひとつの芸だよな、と。逆を言えば、芸能の世界で彼女ができることってのはそれしかないともいえるわけで。無難なタレント仕事をこなしている朋ちゃんも、小室サウンドでない歌歌ってる朋ちゃんも、世間は求めていない。それは過去二回の復帰でわかっていたわけだから。
 ともあれ、小室サウンドと心中する覚悟を決めた朋ちゃんの今後に期待。