谷山浩子「意味なしアリス」

 谷山浩子の03年の作品。「宇宙の子供」収録。最初のタイトルは「夜のアリス」だとか。ってわけで、これは隠喩のエロがむんむん。てか、これはずばり吾妻ひでおロリコン漫画の世界でしょ。少女売春をしているアリスの不条理な日々、という感じ。
 女衒の公爵夫人にいじめられながら、お客としてあらわれるキノコにわけもわからず犯される日々のアリス。彼女は「なにをやっているのかぜんぜんわからない」。そんな意味のない日々を送るアリスは、ある日、頭に来て、公爵夫人の頭を鍋にぶち込んでキノコと一緒に煮てしまう――というこのあたりは、かなり猟奇的。
 ラストの「――というのは実は言い過ぎで」のどんでん返しは見事すぎる。おとぎ話の美少女がしみったれた四畳半的生活をしている、という真実がこれまたやっぱり、吾妻漫画的だよね。是非、吾妻ひでおで漫画化を。