書上奈朋子

コンピレーションアルバム「voyage」にある書上奈朋子のユニット「Belladonna」の「ハバネラ」―――ビゼーカルメンのハバネラ、今あややが「午後の紅茶」で「ロイヤルでなくては」って歌っているやつね、を聞く。
しかも何度も何度も。1時間ずうっーーーとリピートでその1曲を聞く。
正直言って原曲のカルメンの「ハバネラ」ってあんまり好きなタイプの曲ではないのだが、彼女の手にかかるとなんて私好みに変わるのだろうかと驚く。
結局私はこの人の音楽の築き上げ方を心底愛しているのだろう。好悪を超越して私のなかに沁みこんでいくような感じがある。
荘重で悲劇的で耽美的。濃厚に漂う破滅の匂いに思わず眩暈を感じる。それはまるで物語の一幕のよう、粛々と音が流れては消えていく。
美しすぎて、それはあまりにも美しすぎて、死にたくなる。