沢田研二 「ミス・キャスト」

 ふがぁっっ。
 手嶌葵の無料ライブの抽選、外れたぁっっ。
 くじ運で自分の運気で目減りさせないまこりんです。負け惜しみじゃないもんっ。
 そういえば、去年の夏の明菜様のパチンコ披露のミニライブの抽選も外れたんだよな、俺。


MIS CAST

MIS CAST

 井上陽水先生に2、3曲オファーしたら、どういった風の吹き回しか、10曲も提出してきたので、えぇい、だったら全曲井上陽水だ、という偶然のアルバム。仕事嫌いな陽水さんらしくないエピソードだなぁ。それだけ井上陽水にとって、当時の≪沢田研二≫という素材は、魅力的だったんだろうな。
 たしかにこのアルバムの井上陽水、本気指数高すぎ。同時期の陽水のアルバム「ライオンとペリカン」も、陽水のオリジナルアルバムでトップクラスのクオリティーだけれども、それと勝るとも劣らず、密度の濃い詞・曲が並んでいる。捨て曲なんて、あるはずがありません。
 しかも、それをムーンライダーズ白井良明ニューウェーブ全開の編曲しているわけで、もう、傑作にならないはずがないじゃないですかっ。沢田研二×井上陽水×白井良明。まさしく「ミス・キャスト」な三人の、しかし、だからこそ生まれたこの緊張感。三者の才能が、スパークしております。ピコピコ打ち込みの「Darling」、ビックバンドがかなり無茶している「次のデイト」、なぜか唐突にヨーデルな「How many "Good-Bye"」、「ジャストフィット」は今でもライブに欠かせない名曲。アルバム全体に奇妙な危うさが漂っているのがこのアルバムの特徴。陽気な絶望というか、徹夜明けのような変な高揚感。テンション高いんだけれども、どこか閉塞している。
 沢田研二は『TOKIO』で井上バンドと決別して以降、音楽的に過激な進化を遂げていくのだけれども、このアルバムと次作『女たちよ』は、その極北なんじゃないかな。沢田の実験性が過激に露出した作品がこの二枚かな、と思う。セールスも「勝手にしやがれ」直後にリリースした「思い切り気障な人生」に次ぐ成績を残しております。