中森明菜 「Diva」

DIVA

DIVA

 この三年間にリリースした四枚のカバーアルバムと四枚のベストは一体なんだったんだ!?
 世間様の懐メロ要請に応える形の作品が多かったここ最近の中森明菜だけれども、それらの作品がきゃんと鳴いて遠のく圧倒的なパワーの三年ぶりのオリジナルアルバムにして超傑作。 「私が伝説の歌姫」と堂々宣言する、その貫禄よ。明菜ってよく見たら、腹筋割れてね!? ――という感じのど派手で、ケバくって、図太くって、バキバキのマチズモな明菜様。
 また「Bitter&Sweet」〜「Cross My Palm」〜「Femme Fatale」〜「VAMP」〜「SHAKER」〜「Resonancia」〜「Destination」と続いた世界の延長にある究極とも言えるかも。このアルバムがダメってファンは、多分中森明菜とは根本的部分で音楽の趣味が違うんじゃないかとすら思えるねっ。
 全体的にオンタイムのサウンドメイクだけれども、ベースにあるのは中森明菜が少女時代によく聞いていた70年代の洋楽テイストなんじゃないかな。
 今の安室ちゃんとか、マドンナとかあちらの王道ポップス好きとか、あと案外明菜様ってV系アーティストにリスペクトされているんだけれども、そういう系譜からも受け入れられる余地はあるかも。10代からマイコーやドナサマーが好きだった明菜様の28年目の時代への問い。
 「Diva」の サビの転調がアホみたいにカッコいいよぅ。
 とにかく今回は中森明菜ってことをひとまず置いて、試聴してほしい。んで、心に刺さるものがあったなら是非買ってほしいな。ってわけで以下、YoutubePreview

 http://www.youtube.com/watch?v=XbHNEy84m7w&fmt=35

 私的には、のすたる爺の癒しにつきあうカバーアルバムの明菜よりも、こちらを支持したいぞ、と。