2010-01-01から1年間の記事一覧

渡辺満里奈 「a piece of cake !」

90年夏発売のアルバム。当時今井美樹にバリバリ曲提供していた上田知華に、遊佐未森とのコンビで大活躍だった外間隆史、ダブルノックアウトコーポレーションことフリッパーズギターのおふたり、と、作曲家陣にそれぞれプロデュースを任せて作られたアルバム…

小林麻美 「GREY」

ユーミン+麻美コラボ三部作の最終作。87年3月発売。今回はほぼ全ての作詞・作曲をユーミン自信が担当し、サウンドプロデュース・編曲は後藤次利に依頼している。 後藤の音作りは、当時の原田知世や河合その子で見せたサウンドに近い質感かな、所々ヨーロピ…

ある、ラーメン屋

忘れられないラーメン屋がある。その昔、私が幼い頃に住んでいた街にあったラーメン屋だ。 私の暮らしたその街は、当時、開発の途上にあったベッドタウンで、アスファルトの新しい広い街路や真新しい一戸建ての区画から一歩外れると、桑畑や雑木林、田圃やそ…

渡辺美奈代 「恋してると、いいね 〜The heart of love〜」

89年作品。あー、もう、しょうがないなあ。 10代の童貞のような純情をいまだ引きずったくたびれた四十がらみのおっさんが、目の前の美少女をおかずに、遠い昔の叶わなかった初恋を生々しく脳内リプレイしちゃってる、みたいな、そんな作品。 そんな可哀想で…

川上弘美 「ハズキさんのこと」

ハヅキさんのこと (講談社文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/11/13メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (23件) を見る なにこれ。これじゃ、向田邦子じゃんよー。原稿用紙換算で10〜20枚程度の掌編が23作。新…

皆川博子 「蝶」

蝶 (文春文庫)作者: 皆川博子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/12/04メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 56回この商品を含むブログ (10件) を見る いままさしく命の灯火の果てようとしている、今際のきわの老婆がそこにいるとする。 彼女は身を横たえ…

文藝別冊 「総特集 萩尾望都」

萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母(文藝別冊)出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/05/14メディア: ムック購入: 27人 クリック: 246回この商品を含むブログ (49件) を見る 40周年記念ということで出版された萩尾望都MOOK。未発表原稿やロングインタ…

松田聖子「ガラスの林檎」

80年代の松田聖子の歌のよさというのは、明朗で健全そうな表層の内部に麻薬のような危険なあやかし、業を秘めた血の気配があって、それが常にほのかに漂うところなのだと思う。 それは彼女の歌唱表現に宿っているのはもちろん、大村雅朗や松任谷正隆のアレン…

嵐のよさ?

五年程前に、友人と雑談していたときに、不意にジャニーズ系に話が及んだ。 曰く「いまは嵐がいい」と。 「えーなんで。つか、メンバーの区別つかないし、音もキャラも一番没個性じゃない? スマならキムタク、TOKIOなら長瀬、V6なら岡田、NEWSなら山P、…

布施明 「古い上着をぬいで」

74年夏発売、ってことは「積み木の家」のヒットのご祝儀アルバムかな。A面が作詞・プロデュース/寺山修司、作・編曲/前田憲男によるミュージカル仕立ての組曲「火の鳥」。B面が全作詞作曲、布施明本人による「そして26…」。ミニアルバムふたつをひとつに…

門あさ美 「ベラドンナ」

BELLADONNA(紙ジャケット仕様)アーティスト: 門あさ美出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2007/10/24メディア: CD クリック: 28回この商品を含むブログ (1件) を見る 人材の宝庫・80年代のヤマハにおいても、とりわけ謎めいた場所にいたシ…

海外発送、してないこともないです

通販事務連絡。 お気づきでない方もいるやもしれないので再度アナウンスしますが「中森明菜・歌姫の軌跡」海外発送、してないこともないです。 価格は航空便代プラスする形で、送金は、日本の銀行への振込が出来ない場合は、国際郵便為替での決済もしてます(…

かしぶち哲郎「Le Grand」

ル・グランアーティスト: かしぶち哲郎,クレモンティーヌ出版社/メーカー: ソニー・ミュージックダイレクト発売日: 2009/11/11メディア: CD クリック: 53回この商品を含むブログ (10件) を見る 09年11月発売。ムーンライダースのロマンチックドラマー・かし…

南野陽子 「最終オーダー」

05年、20周年記念「NANNO BOX」に収録されたアダルティーな新曲。作詞・南野陽子、作編曲・萩田光雄。 同窓会的な安穏とした曲かと思ったらさにあらず。「あの頃、懐かしいわね」なんてモノでなく、あの頃はむしろ生々しく現在へとつづいていた、あの頃は終…

佐藤史生 「この貧しき地上に」

■ この貧しき地上に 85.02.20 新書館 ●「この貧しき地上に」〜「青猿記」〜「一陽来復」……クノッソス宮殿で失踪した青年と残された家族の物語。ファンタジー的な装飾が施されて入るものの、これもJUNE。失踪して記憶を失った天才青年・清良とそれを拾ったひ…

佐藤史生 「精霊王」

■ 精霊王 89.12.20 小学館 ●「精霊王」……オカルト・ホラー。ボランティア活動に勤しみ変人とも聖人ともいわれたある富豪が心ひそかに唱えつづけた呪詛、それが具現化し息子達に襲い掛かる――という話。読みやすい。パパやママが色々と大変な感じでドロドロと…

斉藤由貴本プレゼント、ご応募ありがとうございます。応募総数は六通だったのですが、あのあと、売りモノにするには印刷・製本がビミョーと弾いた奴が二冊出てきたので、こちらで用意できるのは計六冊。うん、つまり全員プレゼントという結果になりました(苦…

日の出ハイム 「君へつづく物語」

君へつづく物語 (GUSH COMICS)作者: 日の出ハイム出版社/メーカー: 海王社発売日: 2010/05/07メディア: コミック購入: 5人 クリック: 48回この商品を含むブログ (5件) を見る ――俺の住むアパートの隣に最近引っ越してきたあいつはちょっとおかしい。どうやら…

コピー本「歌手・斉藤由貴 自らを探す旅 1985〜1995」に関して

――というわけで、昨日約束した斉藤由貴本の通販に関しての話なのですが――。・20P/A5/コピー本という、本というにはとても心許ないスペックであるし、内容もサイトにあげた「斉藤由貴全アルバムレビュー」の増補・改訂レベルに過ぎないということ。 ・イベン…

歌謡砦書店・通販事務連絡的な色々

【その1】 hotmailの迷惑メールのフィルタが以前より厳しくなったようです。 cgi処理の自動返信のメールをなりすましメールとして処理しまっているのかなぁ、返信メール届かない、というトラブルがhotmailアドレスの方にのみ、数件ありました。 念のため、h…

資料性博覧会、終了

5/5の資料性博覧会にきてくださった方、ありがとうございました。 いやあ、それにしても色んなイベントがあるもんだな。そんなにサークル参加経験があるわけでもないですけど――シティ系のとコミケと文フリ?くらいか、8畳くらいのまさしく「倉庫」という感じ…

卒業してる?

大学に通っている夢を今でもよく見る。といっても暢気な夢ではなく、 「ちょっとまこりんさん、なに大学卒業してるフリしてるんですか?まだ必須単位の○×取れてませんよっ」 「えええっっ、マジすか」 という、単位取りに奔走する夢ばかりだ。 当時、真面目…

名盤? 名作?

この作品は凄い、名盤、名作、マスト。そういわれるのを鵜呑みにして、読んだり聞いたりして――どこが? と思ったりすることが誰にもあると思う。「似たような趣味かな?」と思っている人の発言でも自分的にははずれだったなんてこともあったり。つまりそれだ…

先月なにしてた?

Q.先月なにしてた?A.佐藤史生さんの著作を読み返していた。 訃報を耳にして、そういえばほとんどの作品どういう話だったのか忘れているなあと思い立ち、本棚の奥の方から引っぱりだしてきて――「夢みる惑星」以外のほとんどの著作を読み返したかな? あ、「…

栗本薫本の代わりに斉藤由貴本@資料性博覧会

5/5 中野ブロードウェイ四階で行われる即売会イベント「資料性博覧会」に参加します。http://www.mandarake.co.jp/information/event/shaku/ ――が、イベントサイトやパンフレットに告知してある「栗本薫関連・新刊」は出ません。もうしわけない。 某浜名湖在…

佐藤史生 「チェンジリング」

「チェンジリング」89.08.20/小学館刊●「チェンジリング」……革命によってロボットが人類を駆逐した惑星の物語。親殺しのメタファーとも読める。長髪で草食系の美形セフィロートは佐藤漫画でお約束の萌えキャラ。《男性器のない男性》というのが好きすぎるな…

佐藤史生 「阿呆船」

84年、新書館刊。少女漫画誌以外で掲載された作品を中心にまとめた短編集。どの作品も感情移入という手法を極力排して制作したと作者は語っている。 ●「阿呆船」……文化の停滞した地球に宇宙からやってきた「訪問者」、彼らは停滞を打ち破る福音となるはずだ…

佐藤史生 「羅陵王」

亡くなった佐藤史生の著作を現在再読中。そのひとつを取りあげる。88年、白泉社刊。短編集。四篇収録。 ●「羅陵王」……ある惑星のみで産出される長命の妙薬の正体とは――。ウイルスは種を選別し進化させる、という、来るべき新型インフルエンザのパンデミック…

これからの中森明菜に望むアルバム

リアクションがよかったので、続けて明菜の話題。超個人的に「こんな中森明菜のアルバムが聞きたいなぁー―」という話。もちろん、中森明菜の気が込められた作品ならなんでもいいけれども、という前提で――。・歌詞がドラマティックで、情熱的で陰でエスニック…

売れなくなった中森明菜の話の続き

というわけで、売れなくなった中森明菜の話の続き。 先日のエントリを読んだ鋭い方は「つまりまこりんは売りに焦るよりも売れないことを前提したビジネスモデルを考えるべきっていいたいわけ?」とお思いだと思いますが、まあ、実際そういう話をこれからする…